かぜ症状はなぜ起こる?

かぜは一般に、ひきはじめから1週間ほどかけて治っていきますが、その間に、さまざまな症状が起こります。
かぜの症状は、いずれもウイルスなどの感染に対抗するための、体の防御反応。
では、体がどのようにかぜウイルスに対抗しようとしているのか、その主な発症メカニズムについて見ていきましょう。

かぜ症状はなぜ起こる?

発熱はなぜ起こる?

発熱はなぜ起こる?

のどなどの気道粘膜にウイルスが感染すると、それを察知した体は体温を上げます。

これには、

  • ウイルスは熱に弱いため、体温を上げてウイルスの活動を抑える
  • 体温が高いほうが、免疫機能が活性化される

などの目的があります。
こうした、ウイルスを排除するための体の防御反応のひとつが「発熱」なのです。

体温は、生命の活動に伴って、常に内臓や筋肉が活動して熱をつくりながら、体の表面から余分な熱を逃がすことで、調節されています。
通常よりも体温を上げるときは、内臓のはたらきを活発にしたり、筋肉を震わせたりして発熱量を増やすとともに、汗を抑えて体温の低下を防ぎます。
逆に上がり過ぎた体温を下げるときは、汗をかいたり、皮膚の血管を広げたりして、熱を放出します。

こうした調整は、脳にある温熱中枢の指令によって行われています。
温熱中枢では、プロスタグランジンという物質のはたらきで体温の“セットポイント”を設定し、それをもとに全身で体温の上げ下げに関した反応が起こるのです。

たとえば、温熱中枢で体温が36℃にセットされているとき、実際の体温が36℃より低いと「寒い」と感じ、熱をつくり出して体温を上げます。
逆に実際の体温が36℃より高くなると「暑い」と感じて体温を下げようとします。
これはかぜをひいたときも同じです。

まず、かぜウイルスの感染を感知してつくられたプロスタグランジンが、体温のセットポイントを通常よりも高く設定します。
すると体は、セットした体温になるまで、熱をつくり出そうとします。
このとき、設定された体温よりも実際の体温が低いと、「寒い」と感じます。
これが「悪寒」というもので、寒く感じて震えることで熱をつくり出します。
このとき、筋肉や関節に負担がかかるため、「筋肉痛」や「関節痛」などの体の痛みが起こることがあります。

のどの痛みはなぜ起こる?

のどの痛みは、かぜのウイルスを排除するための免疫反応に伴う“炎症”によって引き起こされます。
炎症とは、「赤くなる」「熱をもつ」「腫れる」「痛む」といった症状のことで、かぜのときは、こうした炎症がのどの症状として起こります。

赤くなる(発赤)・腫れる(腫脹)・熱をもつ(熱感)・傷む(疼痛)

かぜに感染すると、粘膜には、ウイルスを取り除くために、白血球(免疫細胞)が集まってきます。
白血球は血流にのってやってくるので、集まりやすいように体は患部の毛細血管を広げます。
このときはたらくのが、ヒスタミンやプロスタグランジンといった物質です。

これらの物質のはたらきで毛細血管が広がると、血液がその場所に集まることで“赤く”なって“熱”をもち、さらに、広がった血管に集まった血液によって粘膜が“腫れる”のです。
また、プロスタグランジンは“痛み”を強くして、危険信号を伝える物質なので、のどが痛みます。
これが、のどの炎症のメカニズムです。

参考資料:「医学大辞典(南山堂)」

くしゃみ・鼻水・鼻づまりはなぜ起こる?

くしゃみ・鼻水・鼻づまりはなぜ起こる?

くしゃみや鼻水といった鼻炎症状は、鼻粘膜に付着した異物を、吹き飛ばしたり洗い流したりするために起こるとされています。
かぜのときも、鼻粘膜に付着したウイルスを排除しようとして鼻炎症状が起こります。

ウイルスに感染すると、免疫反応に伴ってヒスタミンなどが作られます。
ヒスタミンは、鼻粘膜の知覚神経を刺激して脳へ信号を伝え、中枢を刺激してくしゃみを起こさせます。
また、ヒスタミンの刺激が引き金となって、鼻粘膜にある鼻水(鼻汁)の分泌腺が刺激され、鼻水が過剰に分泌されます。
さらに、毛細血管がヒスタミンによって拡張することで鼻粘膜が腫れ、鼻づまりを起こすのです。

せき・たんはなぜ起こる?

せき・たんはなぜ起こる?

気道の粘膜にウイルスが感染して炎症が起こると、脳のせき中枢を刺激してせきが出ます。
また、たんを排出するためにもせきが出ます。

また、のどの粘膜が炎症を起こすと、かぜウイルスなどの異物を排除しようと、粘膜から粘液が過剰に分泌されて、たんになりますが、たんが増えるとそれを排出するためにせきが出ます。
炎症が進むと、ウイルスと戦った白血球の死骸などが粘液に混じって、たんの粘り気が増し、さらにのどの線毛のはたらきが弱くなるので、たんがのどにからみつきます。

せきにも、乾いたせき(からせき)や湿ったせきなどの種類があります。
たんが出ない乾いたせきは、繰り返すことが多く、体力を消耗しやすいので早めに止めたほうがよいと言われています。
逆に、たんが絡む湿ったせきは、異物を排出しようとするものなので無理に止めないほうがよいと言われています。