かぜを知る

「かぜ」は、誰もが経験する一般的な病気。かぜはうつる病気ですが、流行っているからといっても、誰もがかぜをひくわけではありません。
その人の健康状態によって、ひかない人もいれば、ひいても軽くすむ人、こじらせてしまう人などがいます。
かぜという病気について考えてみましょう。

かぜを知る

かぜってどんな病気?

かぜってどんな病気?

「かぜ」というのは、熱、せき、鼻水症状を表す総称であり、正式名称は「感冒」や「かぜ症候群」と言います。
これに対して、急な高熱や関節の痛みなど、激しい全身症状が現れるのが「インフルエンザ」。
症状が大きく違うため、区別されますが、「普通のかぜ」も「インフルエンザ」もかぜの一種です。

皆さんもご存知の通り、かぜのほとんどの原因はウイルスの感染です。
かぜのウイルスが鼻やのどの粘膜に付着、感染すると、鼻やのどの奥に炎症を起こします。
すると、発熱したり、炎症でのどが痛くなったり、鼻では鼻水やくしゃみを出して、ウイルスを追い出しにかかります。
それでも残ったウイルスが、のどの奥に侵入すると、今度はせきを出してウイルスを追い出そうとします。
こうしてさまざまな症状が起こり、その後回復に向かいますが、こわれた気道の組織が修復するまでは、せきやたんなどの症状が少し残ります。

こうしたかぜの症状は一律ではなく、ウイルスの種類によってさまざま。
春と秋に「鼻かぜ」が多く、夏に「のどかぜ」が多いのは、時季によって流行しやすいウイルスが違うためです。

ウイルスってどんなもの?

ウイルスってどんなもの?

かぜのもととなるウイルスは、200種類以上あるといわれています。
このウイルスは、細菌よりもずっと小さい病原体で、電子顕微鏡でしか見ることができません。
中心には遺伝の情報をもつ「核酸」があり、そのまわりはたんぱく質の殻(から)でおおわれています。
このウイルスは、細胞内でしか増殖できません。

どのようにしてウイルスは増殖するのでしょう。

ウイルスが鼻の中にすい込まれると、粘膜の方へ近づきます。
そして、粘膜に付着すると細胞とつながって、「核酸」を細胞の内部にどんどん放出します。
このとき、白血球がウイルスを攻撃します。
白血球が勝つと増殖はしませんが、ウイルスが勝つとこの「核酸」をもとに、細胞の中で次々と子どものウイルスがつくられていきます。
増殖した子どものウイルスは、細胞をやぶって外へ飛び出し、また、ほかの細胞とつながって、そこでも子どものウイルスをどんどん生み出していきます。
こうして、ウイルスが増殖され、発病してしまいます。

鼻の粘膜拡大図

<イメージ図> 出典:「からだのしくみ全書 病気編」(高橋 健一 著)

かぜとインフルエンザの違い

かぜ

時季を問わずかかります。
かぜをひいた人が、ウイルスのついた手で物に触れると、そこにウイルスが付着し、別の人がその場所に接触してウイルスに感染するのです。
かぜは、主にこうした接触感染でうつりますが、空気中に飛んだウイルスから飛沫感染する場合もあります。

症状

発熱のほか、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、せき・たんなどさまざまな症状が現れます。
過労や睡眠不足、あるいは高齢などで体力が低下しているときには、悪化することもあります。

インフルエンザ

主に飛沫感染で広がります。
たとえば、感染している人が近くにいると空気中にウイルスがばらまかれ、それを吸い込んだ人が感染していくのです。

症状

呼吸器系の症状より先に、急に高い熱が出て、頭痛、だるさ、関節の痛みなど、全身につらい症状が出るのが特徴です。
冬に多く、しばしば全国的に流行します。

かぜとインフルエンザの違い

かぜをひきにくい人、こじらせない人

かぜをひきにくい人、こじらせない人

かぜの直接的な原因はウイルス感染ですが、間接的には、気候や人の体の状態もあげられます。

寒さと乾燥は、かぜ発症の大きな要因になります。ウイルスには低温や乾いた空気で活発になりやすいものが多いこと、そして、ウイルスが侵入する鼻やのどの粘膜が乾燥していると、防御力が低下しやすいことなどの理由で、冬になるとかぜをひく人が増えます。
とくに、インフルエンザウイルスは低温・乾燥を好むので、冬に流行します。
そのため、体を温かくして、乾燥した空気を避けることだけでも、かぜをひきにくくするコツだといえます。

ウイルスに感染したとき、発症しない人、発症しても軽くすむ人がいるのは、なぜでしょう

一人ひとりがもつ、体の抵抗力の違いによって、かぜの発症の仕方が異なるからです。
とくに抵抗力の弱いお年寄りや子どもは、軽いかぜから肺炎などを起こすことも。
かぜが長引いて、そのうち高い熱が出たり、体の節々が痛んだりする場合は、かぜ以外の病気を併発している恐れがあるので、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。