感染症対策と予防Q&A

感染症対策と予防Q&A

基本的なことから意外なことまで、
日常の疑問ににお答えします。

消毒について

手洗いってどうするのが正解?
手に残る病原体はどのくらい変わりますか?

手洗い前、手には病原体が約100万個も残存するといわれています。流水で15秒の手洗いの場合、約1万個(約1%)に減少します。石鹸で15秒のもみ洗い後に15秒すすぐと数百個にまで減少(約0.01%)し、「石鹸で15秒のもみ洗い後15秒すすぐ」を2回繰り返すと、残存する病原体は約数個にまで減少するといわれています(約0.0001%)。

手洗いは、最低でも石鹸を用いて15秒もみ洗いをし、流水で15秒すすぎましょう。
※具体的な手の洗い方は厚生労働省のHPを参照ください。

>厚生労働省 正しい手の洗い方(PDF)

誰が触っているかわからないつり革とか手すりとか、ちょっと怖い。
どのくらい病原体が残っているのでしょうか?

これまでの研究では、新型コロナウイルスは銅の表面で4~8時間、段ボールで24時間、ステンレスで48時間、プラスチックで72時間後まで残存していたといわれています。

つり革にどのくらい病原体が残存しているかは十分にわかっていませんが、感染者に接触しなくても、つり革、エスカレーターなどの手すり、エレベーターなどのスイッチ、ドアノブ、紙幣や硬貨などを媒介に感染する可能性は高いといわれています。

外から帰った後もずっとスマートフォンを触ってます。
手はよく洗っているけれど、スマートフォンは洗わなくて良いの?

新型コロナウイルスの場合は金属やガラス、プラスチックの上などでは長い時間活性を保ち、最長16日間ウイルスが残存していたといわれています。厚生労働省も手を洗うこと以外に、よく触るスマートフォンの表面を毎日清掃することが新型コロナウイルス感染拡大を防ぐには重要だとしています。

毎日一回は除菌シートで拭くのが良いでしょう。また、食事中にはスマートフォンを触らない事も効果的です。

肌が弱いのですが、
ノンアルコールの除菌シートでも感染予防効果はありますか?

アルコールだけではなく、ノンアルコールの除菌シートに使用されていることが多い塩化ベンザルコニウムにも強力な抗新型コロナウイルス効果があると経済産業省の調査で認められました。含まれている製剤をよく確認して使用するようにしましょう。

マスクについて

マスクの種類によって性能に違いはありますか?
種類が多すぎて迷ってしまいます。

マスクは種類により効果が異なります。不織布マスクがポリウレタンや布マスクより抑止効果が高いとされています。最も効果が高いのは医療用のN95マスクで、99.9%の飛沫をブロックします。また、一般的に使用されている不織布マスクでも99%のブロックが可能です。

重要なことは正しくマスクを着用することです。どの種類のマスクも誤った着用方法では効果は期待できません。正しくマスクを着用することで感染リスクが7分の1に減らせますので、外食時には食事中もできるだけマスクを外す時間を短くするようにしましょう。

すれ違うときにマスクをしていない人を見かけます。
短い時間であれば問題ないのでしょうか?

2メートル以内でマスクをしないで15分以上の接触(濃厚接触)をすると、病原体の飛沫と接触する機会が増えます。

しかし、すれ違いだけでは感染の可能性は極めて低いでしょう。
すれ違う際もし相手が咳をしていたら、息をこらえ十分な距離をとってから呼吸しましょう。万が一、顔に相手のしぶきがかかっても、すぐに手や顔を石鹸で洗浄すれば感染は避けられます。

買物をするとき

スーパーやコンビニで買い物する時、
袋詰めされていない野菜やパンは感染源にはならないでしょうか?

野菜や果物には食中毒原因菌やウイルスが付着している可能性があり、洗わずに食べると感染してしまう恐れがあります。必要に応じて流水ですすぎ洗いを十分に行いましょう。野菜用の洗浄剤を使うことも良いですし、生野菜は煮調理をすれば問題ありませんので、心配な場合は煮てしまうのが良いでしょう。

引用:日本食品洗浄剤衛生協会

お店にはトングやお盆などが誰にでも使えるように置いてあるけれど、
そのまま使って大丈夫でしょうか?

他人が直接使用した器具を共用することは避けたほうがよいでしょう。

未消毒のトングや野菜を触る際は直接手で触れずに、ビニール袋を手袋がわりにするか、ポリエチレン製かニトリル製の手袋を使うとよいでしょう。

食事をするとき

飲食店などではどのように食事するのが安心でしょうか?
座る位置や話し声が気になります。

1メートル以上の距離をとった場合、感染リスクは約82%減少します。座り方は、真正面を避け斜めに座り、2メートルの距離を取りましょう。

換気がよい場所、他のグループと隔離されている場所を選び、出入口やトイレ・配膳場所などヒトの出入りが多い場所は避けた方が良いでしょう。1組は4人以下で、食事中は静かに話し、できるだけ短時間で食事を行うことが感染対策には効果的です。

換気に関して

換気が大事だと聞きますが、
外の空気を入れたら病原体が入ってきませんか?

新型コロナウイルスは、空気中では生存しにくいといわれています。外気ではウイルスは高倍率で薄められるため、すぐに乾燥し死滅すると考えていいでしょう。

ただし、温度が低いと生存期間が長くなり、37℃では24時間で、4℃では14日程度と報告されています。そのため、夏の間は短時間でウイルスは消失すると考えて良いですが、冬になると長時間生存する可能性は否定できません。

部屋の大きさと人数によって
感染リスクの高さを測る基準ってありますか?

部屋の大きさと人数の関係を示す適切な指標はありませんが、例えば10メートル四方の部屋では前後左右に2メートルの間隔をとることを考えると25人までが限界と考えられます。部屋に入れられる人数を算出する時には、厚生労働省から 「換気の悪い密閉空間」を改善するため換気方法が示されていますので参考にしてください。

>厚生労働省 「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法(PDF)
>厚生労働省 冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法(PDF)

観光地や商店街に行きたいのだけど、
屋外での人込みはどのくらい感染リスクが高いのでしょうか?

新型コロナ感染予防の基本は、密閉空間、密集場所、密接場面を避けることです。この大原則を守っていれば新型コロナウイルスにはかかりにくくなると考えられます。したがって、屋内での密な場所に較べれば、屋外の混雑場所へ行くことは感染のリスクは低くなります。屋外で混雑した場所にどうしても行かなければならない場合は、極力2メートルの間隔をとること、遮断率の高いマスクを着用すること、不用意に物を触らないことを徹底すると良いでしょう。

その他

外から帰ってきたら、
手洗い・うがい以外にした方がいいことはありますか?

まず玄関で靴を脱ぎ、服を着替え、石鹸による手洗い・うがいを行ったら、できればお風呂でシャワーを浴びましょう。

顔面や鼻腔・口腔の周りに付着したウイルスなどの病原体を洗い流すことはとても効果的です。また、うがいで咽頭についた雑菌を取り除くことは、新型コロナウイルスのみならず、インフルエンザなどの様々な感染症の予防に繋がります。

地面に病原体が溜まると聞いたことがあります。
靴裏へのケアはどのくらい必要でしょうか?

新型コロナウイルスが床面に落下している場所を歩くことで靴の底面にコロナウイルスが付着する可能性があります。日本は靴を玄関で脱ぐ習慣があるので病原体を靴から室内に持ち込む可能性は低いですが、外履き・サンダルのまま部屋に入る場合には病原体を持ち込む可能性があります。

靴底を消毒するには、玄関に1:49の比率で薄めた漂白液を浸した布を置き、それを踏むことで消毒できます。靴表面には、アルコールまたは1:99の比率で薄めた漂白剤をスプレーし、靴全体を消毒しましょう。

病原体が付着しやすいもの、
残りやすいものはあるのでしょうか?

金属・ガラス・プラスチックなど、表面がツルツルした素材は比較的長く病原体が生存するようです。感染力が半減するには、ステンレスの上で約5〜6時間、プラスチックの上で6〜8時間かかったと報告されています。

また、新型コロナウイルスとSARSを比較すると、銅の表面ではSARSウイルスのほうが長く残る(新型コロナ4時間に対し、SARSは8時間)ようですが、段ボールでは逆に新型コロナウイルスのほうが長く残ります(新型コロナ24時間に対し、SARSは8時間)。

監修者プロフィール

国士舘大学院 救急システム研究科 研究科長・教授 田中 秀治

国士舘大学院 救急システム研究科 研究科長・教授 田中 秀治

一般社団法人Heart Sever Japan(HSJ) 代表理事、国士舘大学 新型コロナ感染症対策本部 副本部長
Medic Japan メディカルディレクター 感染症コンサルタント
日本救急医学会評議員・指導医 日本臨床救急医学会理事 日本救護救急医学会理事 救急専門医 ICD制度協議会 前インフェクションコントロールドクター