更新日:2023.9.27

生理痛を和らげるには?おすすめのツボ押しや飲み物など対処法をご紹介 生理痛を和らげるには?おすすめのツボ押しや飲み物など対処法をご紹介

生理痛(月経痛)は何かとツライもの。
痛みやツラさを和らげる方法があれば、ぜひ知っておきたいですよね。
鎮痛薬を使って痛みを和らげる方法のほかに、おなかや腰を温めたり、
ツボを押したり、ハーブティーを飲んだりすることも、
ツラさの軽減や不快感の緩和に有効なことがあります。
この記事では、ツライ生理痛を和らげて、
心穏やかに過ごすためのヒントをご紹介します。

監 修

石原 新菜先生

医師。イシハラクリニック副院長。
父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により種々の病気の治療にあたっている。テレビ・ラジオ・執筆活動でも活躍。

北村 恵実子先生

はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師。
女性ならではの症状に対しマンツーマンで施術を行うアキュモード鍼灸院
院長。専門学校で鍼灸の講義も行っている。

生理痛が起こる原因

生理痛が起こる主な原因は、「プロスタグランジン」という物質だといわれています。プロスタグランジンには、不要になった子宮内膜を押し出すために子宮などを収縮する作用があり、生理の少し前から子宮内膜で産生されます。プロスタグランジンの産生が過剰になると収縮が強くなり、痛み(生理痛)を引き起こします。

生理痛が起こる場所は、下腹部を中心としたおなかが多いですが、そのほかに腰痛や頭痛、肩こりが生じることもあります。

また、血の巡り(血流)の低下が、生理痛に影響を与えることもあります。骨盤内の血流量が低下すると生理痛が起こりやすくなったり、悪化しやすくなったりするという研究結果があります。

生理痛を和らげる
おすすめの方法

生理期間中に痛みを感じたら、迷わず鎮痛薬を使って痛みを和らげましょう。鎮痛薬は日常生活をより快適に過ごす手助けをしてくれます。とはいえ、鎮痛薬が手元にない場合や、婦人科を受診する時間がないことも少なくありません。そんな時、生理痛を和らげる方法を知っておくと、気持ちもラクになるでしょう。ここでは、生理痛を和らげるおすすめの方法をご紹介します。

生理痛を和らげるおすすめの方法

痛む場所を温める

痛みを感じる場所を温めると筋肉の緊張がほぐれたり、血流が促されたりして痛みが和らぐことがあります。
おなかや腰が痛む場合は、腹巻きやひざ掛けなどで腹部や腰を温めると良いでしょう。頭痛がする場合は首や肩の周辺を温めると、痛みが和らぎやすいといわれています。

寒い時期にはカイロなどを使って温めるのも◎。ただし、カイロの温度は、体温より少し高めに設定されています。長時間同じ場所に当て続けると、低温やけどをすることがあるので注意しましょう。

ツボ押しをする

東洋医学では、カラダの中には、経絡(けいらく)と呼ばれるネットワークが張り巡らされており、この中に「気=生命エネルギー」が巡っていると考えられています。経絡には気が出入りするポイントがあり、これが「経穴(けいけつ)=ツボ」なのです。ツボを刺激することで、気の巡りが整い、健康に寄与すると考えられています。

以下のようなツボを刺激すると、生理痛の症状緩和につながるかもしれません。

  • 三陰交(さんいんこう)

    婦人科の不調に効果的といわれている最も代表的なツボで、足の内くるぶしの骨のでっぱりから指4本分上のところにあります。生理中に痛みや不調を感じたら、まずはここを刺激してみましょう。

    三陰交(さんいんこう)
  • 関元(かんげん)

    おへそから指4本分下の位置にあります。子宮内の巡りを整え、おなかを温める働きが期待できるツボです。おへそを中心に、恥骨(骨盤を形成する骨の一つで、骨盤の前下部に位置する)の上あたりから胃まで大きく「の」の字を書くように両手の平を重ねてさすってみましょう。

    関元(かんげん)
  • 腎兪(じんゆ)

    おへその裏側で、高さはウエストのくびれライン。背骨から指2本分外側の筋肉上にあるツボです。冷え改善や血行促進効果が期待でき、生理中の腰の重だるさの改善におすすめです。寒い時期にはこの場所をカイロで温めると、より効果的です。

    腎兪(じんゆ)
  • 血海(けっかい)

    「血」に関わる症状に効果が期待できるツボです。膝のお皿の内側のラインと上際のラインとの交点から指3本上の位置にあります。親指をあててゆっくり押しましょう。片手で押しにくい場合は両手の親指を重ねて押しても構いません。

    血海(けっかい)

なお、ツボ押しをする時には、
・息を吐きながら5秒かけてゆっくり押す
・息を吸いながら5秒かけてゆっくり力を抜く
これを3~5回、繰り返しましょう。

できれば市販のツボ押しグッズなどは使わず、自分の指を使って刺激してください。力加減がわかりやすいので安心です。グイグイと強く押すのではなく、「少し痛いけれど気持ちがいい」と感じる力加減でゆっくり押しましょう。

ストレッチをする

ストレッチをして筋肉や関節を伸ばすことには、大きく二つの効果があるといわれています。一つはカラダを温める効果です。ストレッチをすることで血液の流れが良くなり、体温が上がっていきます。もう一つはリラクゼーションの効果です。ストレッチで緊張がほぐれると、副交感神経の活動が活発になり、カラダがリラックス状態になります。

このようにカラダが温まったり、副交感神経が働きリラックスすることで、生理痛の緩和が期待できます。

湯船につかる

全身浴や半身浴を行いカラダを温めると、生理痛の緩和につながることがあります。できれば夏場でも、生理期間中はゆっくり湯船につかって、カラダを温めましょう。個人差はありますが、40~41℃のお湯に10~15分ほど入ると良いでしょう。

湯船にお湯を張るのが面倒……という場合は、足だけをお湯につける「足浴」も効果的です。41~42℃くらいのお湯に15~20分、足をつけておくとカラダがポカポカしてきます。

十分に睡眠をとる

睡眠にはココロやカラダを修復する作用があるといわれています。そのため、睡眠不足になると心身に疲れがたまり、その影響で生理痛がひどくなることもあります。生理前や生理期間中は大きな女性ホルモンの変動により、眠気を感じやすい時期です。このタイミングでしっかりと睡眠をとり、カラダを休めて生理痛を和らげましょう。

生理の時に摂りたい
飲み物・食べ物

温かい飲み物や食べ物を口にしたり、不足しがちな栄養素を補ったりすることも、生理期間中のツライ症状の緩和に役立ちます。
ここでは、生理の痛みやツラさを和らげるのにおすすめの飲み物や食べ物をご紹介します。

生理の時に摂りたい飲み物・食べ物

ハーブティー

一部のハーブティーには、ココロとカラダの緊張をほぐす効果があり、生理痛を和らげるのに役立つといわれています。
例えば、ラズベリーリーフやローズのハーブティーは、女性ホルモンのバランスを整える働きがあるといわれていて、生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和につながることがあります。生理開始予定日の1週間~10日前から飲み始めてみると、リラックスできて、普段より痛みが和らぐかもしれません。

ホットミルク

ホットミルクを飲むと、カラダが温まったり、緊張がほぐれてリラックスできるので、生理痛が和らぐことがあるでしょう。最近では「牛乳に含まれるラクトフェリンには、生理痛を軽減する効果がある」という研究結果も発表されています。

生理中はカラダが栄養不足になりやすいので、タンパク質や脂質などをバランスよく摂れる牛乳を飲むのは、栄養面でもおすすめです。

豆乳

大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きを持っている栄養素です。定期的に摂取すると、ホルモンバランスが整い、生理による不調の緩和が期待できます。
特に、温かい豆乳を飲むと、カラダが温まるので良いでしょう。牛乳の代わりに紅茶に入れるのもおすすめです。

ショウガ

ショウガに含まれるショウガオールやジンゲロールという成分には、カラダを温める作用があります。カラダを温め、血流が促されると、生理痛の緩和が期待できます。
ショウガを味噌汁やスープなどの温かい料理に取り入れたり、お茶に入れて飲んだりして、ツラさの軽減に役立てていきましょう。

根菜類やお肉

カラダを温める食材である、ごぼうやニンジンなどの根菜類を味噌汁やスープで取り入れるのも生理痛の緩和に効果的といわれます。
さらに、赤身の牛肉などの動物性食材をプラスすることで、鉄分やタンパク質も一緒に摂れ、貧血や栄養不足の改善にも役立つでしょう。

生理痛はガマンせず、
早めの対策がおすすめ

生理痛の緩和に、日々の生活習慣や食事のちょっとした工夫は大切です。普段からできるケアを続けていくことで、体質が改善し、生理痛が軽くなっていくこともあります。

また、生理痛を感じたら、できればガマンせずに鎮痛薬をのんで、痛みを和らげるのがおすすめです。痛みが出始めたタイミングで、早めにのみましょう。ドラッグストアなどで市販されている鎮痛薬でOKです。

「痛みがあるたびに薬をのむと、そのうち薬が効かなくなるのでは」と心配になる人がいるかもしれませんが、用法・用量を守って服用していれば心配いりません。鎮痛薬は生理痛を和らげるのに役立つので上手に活用してみましょう。ただし、使いすぎは胃腸や腎臓を傷めたりすることがあるので注意しましょう。
また、鎮痛薬は種類によって、痛みへのアプローチ方法が異なります。自分に合ったものを選びましょう。

なお、薬が効きにくい場合や、薬をのんでも痛みが続く場合は、病気が隠れている可能性もあります。早めに婦人科を受診してください。

ツライ時には無理せずカラダを休ませて、自分を労わってあげましょう。

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<効能・効果>

生理痛(主に、軟便を伴う下腹部の痛みがある場合)

この医薬品は「使用上の注意」をよく読んでお使いください。
アレルギー体質の方は、必ず薬剤師、登録販売者にご相談ください。

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