「ちょっと油断すると出なくなる」「気づいたら何日も出ていない」…。「便秘」かどうかを判断する目安は、「3~4日以上排便がない状態」とされていますが、この目安にあてはまらず「排便が順調ではなく不快感がある」場合も、便秘と考える必要があります。そのため、その程度や原因が人によっても異なる腸のトラブルと言えるでしょう。
ですが、なかには便秘が続く状態に慣れてしまって「体質だからしょうがない」と考えてしまったり、便秘薬だけに頼り続けてしまったりする人も…。また、年齢を重ねると、腸内環境が変化して悪玉菌優性になることで、便秘になりやすくなるとも言われています。このように、便秘には腸内環境も影響しているため、腸内環境を整える必要があるかもしれません。
「軟便」は、おなかの痛みを伴うこともある「下痢」よりも症状や便の形状に見られる変化が少ないため、「そのうち治るだろう」と見過ごされがち。しかし「軟便」は、腸の働きや腸内環境(腸内フローラ)が乱れている場合に生じることがあるため、「おなかがゆるいな」と感じた時は、腸内環境を見直してみるよい機会かもしれません。
ちなみに、腸の働きや腸内環境が理想的な状態の便は「水分量が70~80%のバナナ状」とされていますが、「おなかがゆるい場合」はそれよりも軟らかめ(便の水分量は80~90%)の「軟便」と呼ばれる状態です。便の水分量が90%以上になると「水様便」と呼ばれる「下痢」の状態になります。
「消化が良くない」状態で、未消化の食物が胃から腸に送られると、腸内細菌によって食物の一部が腐敗し、ガスが発生します。腸の働きが弱っていると、このガスを排出できずにおなかが張ってしまうことがあります。この状態だと腸内環境も良くないため、おならのにおいが強くなってしまうことも…。スッキリ快適に過ごすために、腸内環境を整えたほうがよいかもしれません。
【出典】
『新版胃腸ケア・ガイドブック』(興和新薬)