情報があふれる時代、生理についてもいろいろな“ウワサ”があります。でも、それを信じるのはちょっと待ってください!
信頼できるレディスクリニックのドクターに、みんなの生理のギモンについて答えていただきました。
生理を整えるには、十分な睡眠・ストレス対策・栄養バランスの取れた食事が基本です。ぜひ心掛けてください。クリニックの検査に抵抗があるときは、ドクターに打ち明けてください。私たちドクターは貴女にベストな方法を考えます。
医学博士。女性ライフクリニック新宿院長。
クリニックでは女性の健康とライフデザインをサポート。患者様に合った最適な方法を提案している。日本医師会認定健康スポーツ医・循環器専門医・国際協力NGOジョイセフフレンドとしても活躍。1男1女の母。
まずは一般的な
生理の状態を
知っておきましょう。
「正常」な月経の目安
- 周期
-
25~38日
24日以内を頻発月経、
39日以上を稀発月経と呼びます。 - 1回の経血量
-
20~150mL
寝ている間に夜用ナプキンで
保てるくらいならOK。 - 出血持続期間
-
3~7日
- 痛み
-
一周期に鎮痛薬を数回のんで
おさまるくらいなら
問題ありません。
生理はカラダの状態を知る
バロメーター
生理がきちんとあることはカラダが元気な証拠です。もしも生理に「あれ?」と思うことがあるなら、それはカラダがSOSサインを出しているということです。ストレスや生活リズムの乱れはありませんか? やせすぎや肥満、冷えも生理不順を引き起こします。また、特に頑張り屋気質の方は無意識に無理をしてしまっていることも多く、そのことがホルモンバランスを崩し、生理に影響することもあります。SOSサインはしっかり受け止めてカラダをいたわりましょう。
よくあるお悩み
周期がバラバラ。
数か月こないことも……。
初経から数年間は周期が安定していなくても大きな心配はありません。数年経っても安定しない場合はホルモンバランスが整っていないサインです。排卵をしていない可能性が考えられるため放っておくのは望ましくありません。まずは基礎体温を測定し、基礎体温が低温期と高温期の二相性になっているかどうか確かめてみましょう。2か月以上空くようになったら受診をおすすめします。妊娠の可能性も考えられますので市販の妊娠検査薬で陽性反応がないか確認してみることも、カラダを守るうえでは大切なことです。
経血にレバーのような
塊が混じることがある。
通常、経血は酵素の力で液状になります。レバーのような塊は凝血塊(ぎょうけっかい)といわれるもので、これがたくさんあると「過多月経」と診断されます。貧血が起きていないか、子宮筋腫や子宮内膜症などが隠れていないか、婦人科で受診されることをおすすめします。低用量ピルを使うと経血量が減ることがあります。
経血量・生理痛の程度が
月によってムラがある。
女性ホルモンは環境の変化やストレスに左右されやすいため、卵巣や子宮の状態は生理のたびに異なります。毎回の経血量にムラがあってもおかしくはありません。ただ、生活リズムの乱れがムラとなって現れたり、メンタルの状態が生理痛に反映されることもあります。生理の様子と生活の様子を合わせて記録してみましょう。気づくことがあるかもしれません。
おりものの量が増えたり、茶色っぽくなるのは生理に関係ある?
茶色いおりものは少量の血液が混じっているときにみられます。不正出血の可能性があるため受診を検討してください。おりものは排卵期に増える他、免疫力が下がると細菌やカンジダなどに感染して分泌量や様子が変化することもあります。おりものの正常な働きを引き出すには膣を酸性に整えることが大切なので、デリケートゾーンを洗うときには石けんなどのアルカリ成分のものを使わず、お湯か専用の洗浄剤にしてみましょう。
生理が重くてつらいけど、
薬をのみ続けるとそのうち効かなくなりそうで……。
痛みを感じたら、ガマンせずに薬を服用して日常生活をより良く過ごしてください。のみ続けることで効かなくなるということはありません。冷えや血行不良で痛みが強まることもあります。おなかや腰を温めるとよいでしょう。血行促進に役立つビタミンEを含むかぼちゃ、アボカド、ナッツ類を積極的に摂ることもおすすめします。
注意したい症状
生理が2か月以上こない
妊娠や無月経の可能性も
生理痛がひどく、市販薬が効かない
あまりに生理痛がひどいなら
月経困難症の可能性も
おりものが茶色いなど色の変化や
かゆみ・痛みがある
不正出血や感染症の可能性も
経血量が多くて生理中にふらつく、
頻回に替えてもナプキンが間に合わない
過多月経の可能性も
詳しく知ろう
はじめてのレディスクリニック
問診ではどのようなことを
聞かれるの?
お悩みについては、いつから、どんな様子か、要因となりそうな生活環境などを聞かれます。婦人科においては最終月経や月経周期、HPVワクチン接種歴、検診受診歴や性交の有無なども大切な情報なので質問されるでしょう。医療従事者には守秘義務があるので、安心して正確に伝えてください。正しい診断・治療につながります。また、基礎体温表がある場合は持参してください。
どのような診察をするの?
問診後はお悩みによって内診や経膣超音波検査、血液検査などをおすすめすることがあります。過多月経の場合は貧血の有無を調べるために血液検査をします。おりもののお悩みは、内診と培養検査が基本ですが、細かな問診により病態が予測できることもあります。
生理中にはしづらい検査があるため、生理が終わってからの受診がよいでしょう。
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