液キャベコーワ

胃もたれ・はきけ・二日酔いのお話

もたれ・はきけのメカニズム

胃もたれはなぜ起こる?

「胃もたれ」とは、食べ物がいつまでも消化されず、胃にたまったままのときに起こる不快な症状です。人によっては胸がつかえたような感じや、はきけ、膨満感を訴えることもあります。普段の生活のなかでも、比較的発生することが多い症状といえるでしょう。

胃のあたりを抑えて調子が悪そうな40代男性

主な原因は?

「胃もたれ」の多くは、胃の運動機能が弱まり、食べたものがなかなか十二指腸に送り出されず、胃に停滞してしまうために起こるとされています。また、食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしたときや、脂っこい食事をとり過ぎて消化に時間がかかるとき、精神的に緊張したときなども、胃のはたらきが弱まり、食べたものが胃に停滞して、胃もたれを起こすことがあります。

フライなどの脂っぽい食べ物/面接前で緊張している20代女性

はきけ・むかつきはなぜ起こる?

「はきけ」は胃の内容物を口から吐き出したくなる不快感のことで、「悪心」、「嘔気(おうき)」ともいいます。また、実際に吐いてしまうことを「嘔吐」と呼びます。はきけや嘔吐は、脳の嘔吐中枢がさまざまな原因で刺激されて起こります。日常的に多く見られるのは二日酔いによるものです。これは、アルコールが肝臓で代謝されてできたアセトアルデヒドという中間物質が、血液中に多くなり過ぎて、嘔吐中枢を刺激することで起こると言われています。

一方、胃の「むかつき」は、胃の運動機能が低下して、消化がスムーズに行われなくなることや、喫煙、過度のストレスなどが主な原因とされています。

口を両手で押さえている30代男性/ストレスでまいっている様子の20代女性

【参考】

『これだけは知っておきたい胃と腸の病気』(総監修 木村健:NHK出版)

機能性ディスペプシアって?

「機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia)」とは、胃もたれや胃痛、胃部不快感などの自覚症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても、症状の原因となるような異常が認められない状態のことをいいます。日本人の機能性ディスペプシア有病率は、健診受診者の11~17%、胃の痛みや胃もたれで病院を受診した患者の45~53%と報告されています。

胃もたれ/早期飽満感/みぞおちの痛み/みぞおちの焼ける感覚

以前は、「症状があっても原因となるような病変が認められない」という病態は慢性胃炎、神経性胃炎などと診断されてきました。しかし近年では、こうした状態が独立した「病気」として認められるようになり、炎症のあるなしにかかわらず、機能性ディスペプシアと呼ばれています。

主な症状は、食後のもたれ感や、食事を始めるとすぐに胃がいっぱいになって、それ以上食べられなくなる(早期飽満感)、みぞおちが痛む(心窩部痛)、みぞおちの焼ける感じ(心窩部灼熱感)などです。

【参考】

『機能性消化管疾患診療ガイドライン2014』(日本消化器病学会)