液キャベコーワ

胃もたれ・はきけ・二日酔いのお話

二日酔いって?

二日酔いがお酒の飲み過ぎで起こることは、よく知られています。しかし、そのつらい症状がどのようなメカニズムで起きるのかについては、まだすべて解明されていません。いくつかの要因を知って、アルコールと上手につきあうことができれば、二日酔いを防ぎ、つらい症状をラクにすることができそうです。

焼肉とビールのイメージ

お酒を飲むと体はどうなるの?

お酒を飲むと、人はなぜ酔うのでしょう。「酔い」とは、血液に入ったアルコールが脳に到達し、脳内のアルコール濃度が上昇し、脳を麻痺させている状態です。

飲酒により体内に入ったアルコールは、胃と小腸から吸収され、血液に入って門脈を通って肝臓に運ばれます。肝臓では分解が始まりますが、すぐには分解できないので、アルコールの大部分は全身に行き渡ります。その後、体内に入ったアルコールの大部分は、肝臓でアセトアルデヒドとなって、酢酸に代謝されます。この酢酸は、血液とともに全身をめぐり、筋肉や脂肪組織などで、水と二酸化炭素に分解され、体外に排出されます。なお、摂取したアルコールの2~10%は、分解されることなく呼気や尿、汗として排泄されます。

アルコールが摂取され、代謝・分解されて体外に排出されるまでのイメージ

二日酔いのメカニズム

酔いがさめるまでの時間には個人差があり、お酒に弱い体質の人や女性は長くかかるとされています。翌朝、起床後までにアセトアルデヒドが体内に残っていると、「頭がガンガンする」「胃がムカムカする」「吐きたくなる」などの、いわゆる二日酔いの症状が起こります。

二日酔いの男性イメージ

肝臓での処理が間に合わないほどアルコールを摂取してしまうと、アセトアルデヒドの排出に時間がかかってしまうのです。これまで二日酔いによるはきけや嘔吐の症状は、血中のアセトアルデヒドの濃度が高くなり、嘔吐中枢を刺激することで起こるという説が有力でした。しかし、一方でアセトアルデヒドが二日酔いに関係しているとは限らないことも報告されています。

他の要因として、ホルモンの分泌状態が酔っている状態から二日酔いの状態になるまでに大きく変化し、これらの変化に伴う利尿作用による脱水や低血糖状態が、二日酔いの症状の一部をなしているともいわれています。二日酔いは一つの要因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症しているようです。

二日酔いの対処法

日頃から注意をしていても、飲みの席になれば、つい飲み過ぎてしまうもの。ここでは飲み過ぎたあとの二日酔いの対処法をご紹介しましょう。

お酒を飲むと、よくのどが渇きませんか? これは、アルコールの利尿作用によって、脱水が起きているからです。飲んだあとや寝て起きたあとに十分な水を飲むようにしましょう。水分の吸収を早めるスポーツドリンクもおすすめです。

寝る前に水を飲む様子

二日酔いの回復を早める食品として知られているのが、アミノ酸が豊富なしじみです。しじみは、肝臓のアルコールの代謝機能を助けます。このほか、糖質も肝臓の分解作用のエネルギーになるため、フルーツジュースなどを飲むと、脱水状態で不足している水分といっしょに糖質が摂れます。

しじみの味噌汁/フルーツジュース イメージ

はきけや嘔吐の症状がつらくて何も口に入れられないような場合は、市販の胃腸薬を用いるのがよいかもしれません。「二日酔・悪酔のむかつき」の効能をもつ胃腸薬には、消化器系の状態を整えて、胃の不快感やはきけを改善する成分が多く配合されています。

胃腸薬イメージ

【参考】

「eヘルスネット<二日酔いのメカニズム>
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html
「公益社団法人アルコール健康医学協会」サイト
 http://www.arukenkyo.or.jp/health/base/
「東洋医学の基本講座」(佐藤浩/吉川信 著:成美堂出版)
「漢方210処方 生薬解説」(じほう)