爪のケアはなぜ必要?ネイルケアリストが教える美爪をキープする生活習慣とお手入れの心得
年齢を重ねるほど、お肌や髪は土台のお手入れが必要となるように、指先も、地爪を育むケアがなにより大切。そこでスタートしたのが、地爪育成のスペシャリストをお招きしてネイルケアの“いろは”をレクチャーしていただく「地爪はぐくみ塾」。
第3回目は、いつもすこやかな爪でいるために気をつけたい日常の行動についてご紹介。さらに、これまでにご紹介してきたケアについて、「もっと詳しく知りたい!」という点をQ&A形式でおさらいしていきます。
1996年に、自爪育成ネイルケアを追求するサロン「グランクール」を設立。これまでに延べ96,000人を施術。2017年には一般社団法人自爪育成ネイルケア協会(現:ネイル育成ケア協会)を設立。問題解決型の独自のネイル育成ケア技術『爪健美道®』メソッドのネイルインナースキンケア®を伝承するため、ネイルインナースキンケア®リストの育成に、力を注いでいる。
すこやかな地爪を遠ざけてしまう日常のNG行動集
すこやかな地爪を育むためには、日頃から爪をいたわる気持ちが大切だということは前回もお伝えしました。花井先生によると、私たちは、日常生活での何気ない行動や動作によって、知らぬ間に爪に大きな負担をかけてしまっていることも多いのだそうです。
あなたも普段の生活の中で、ついついとってしまっている以下のような行動はありませんか? もし心当たりのある方は、以下のPOINTを参考に、今日から爪をいたわることを意識して行動しましょう。
❶ 爪のケアをしないまま生活する
爪のケアを怠っていると爪の表面から必要な水分が蒸発し、乾燥が進んだり、衝撃に弱くなったり、さまざまなトラブルの原因になりかねません。
POINT
日頃から爪浸透補修液や爪保護材(ベースコート・トップコートなど)を塗っておくようにしましょう。割れたり欠けたりするのを防ぐだけでなく、乾燥対策にもなります。キューティクルオイルを塗ってこまめな保湿を心がけることも大切です。
❷ 頻繁なネイルカラーの塗り替え
除光液に含まれるアセトンは爪に必要な油分を奪ってしまうため、爪を乾燥させ、ダメージを引き起こす原因に。頻繁な塗り替えは控えたいところです。
POINT
ネイルカラーの塗り替えは、1週間〜10日に一度程度を目安に。また、除光液はなるべく負担の少ないアセトンフリーのものを選ぶのがおすすめです。
❸ 拭き掃除や洗い物、シャンプーを
素手で行う
水仕事やシャンプーをする際は爪先へ力が入り、負担がかかります。また、素手で、洗剤とお湯を使うことで、洗剤の成分が爪裏から浸透、乾燥や剥離といったダメージを受けることもあります。
POINT
水仕事をするときはゴム手袋などで爪と手肌を保護するようにしましょう。また、洗髪にはシャンプーブラシを使用すると良いでしょう。
❹ ガムテープやシールを剥がす・
靴べらの代わりにするなど、
爪先を道具にする
爪先でシールなどをガリガリこするのは、爪に大きな負担をかけることに。割れる・欠けるといったトラブルも起こりやすくなります。また、靴べらがないとき、指で靴を広げるのは、爪母のある爪の根元に圧をかけることになり、ダメージにつながります。
POINT
爪は道具にしないこと。ハサミやカッター、靴べらを使うようにしましょう。
❺ パソコンのキーボードを爪先で叩く
デリケートな爪の先端に衝撃を与え続けることになり、割れたり欠けたりする原因に。
POINT
爪先がキーボードに当たらないよう適度な長さに整え、爪に負担がかからないよう指の腹を使ってキーボードを叩くよう意識しましょう。
毎日の積み重ねが大切。
爪にGOODな生活習慣
vol.1でもご紹介した「爪お手入れの心得3カ条」を、しっかりと守ることに加えて、生活習慣も見直すことで、より美しい爪の成長が促されます。内側からのケアは、爪だけでなく自身の健康にもつながること。以下を参考に、今一度生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
■良質なタンパク質を摂る
爪はタンパク質で構成されています。そのため、すこやかな爪を育むためには、大豆や肉、魚など、積極的にタンパク質を摂ることが大切です。花井先生のおすすめは、納豆や豆乳、豆腐などの大豆食品。「大豆は、植物性でヘルシーなだけでなく、爪を硬く、丈夫にするための栄養が豊富に含まれています」
■ストレスを溜めない
美容の大敵といわれるストレスは、血行不良を引き起こすことも。体の不調につながるだけでなく、爪の健康状態にも悪影響を及ぼします。自分なりのリラックス方法で、日常の中で感じるストレスを少しでも解消していくことが大切です。
■規則正しい生活リズムを心がける
規則正しい生活を送ることで、爪の成長を促す新陳代謝も健全に。十分な睡眠時間を取る、バランスの良い食事をするなどを心がけましょう。
爪のお悩みQ&A
ここでは、これまでお伝えしてきたファイリング(爪の形や長さを整えること)や土台ケアの「もっとここが知りたい!」「こんなときはどうしたらいいの?」という質問やお悩みに、花井先生がお答えします。
Q1 シャイナー(爪磨き)は使うべきでしょうか?
A 爪は角化した皮膚の一部で、死んでしまっている細胞。自己修復機能がないため、シャイナーで表面を削り、爪を薄くしてしまうともとに戻ることはありません。できる限り控えましょう。
Q2 どうしても爪切りを使いたい場合、爪に負担の少ない切り方はありますか?
A お風呂上りなど爪が柔らかくなっているときに、なるべく刃の薄い小さめの爪切りで、爪の根元を押さえながら少しずつ切ります。切りたい長さのイメージより長めに切り、その後やすりで切り口をなだらかに整えてください。
Q3 爪が小さかったり分厚かったりする人の爪切りのコツはありますか?
A 小さい爪の人は前述と同様の切り方でOKです。分厚い人は、やはりお風呂上りなどで爪が柔らかい状態のときに、ニッパー型の爪切りを使うのがいいでしょう。
Q4 足の爪の形を整えるコツはありますか?
A 足の爪も基本は手と同じで、やすりで削りながら、四角い形をベースにして角に少し丸みをつけた形(スクエアオフ)に整えます。
Q5 二枚爪や手荒れに悩んでいる場合、どのようなケアをしたら美しい手元になれますか?
A
爪や手肌に最もダメージを与える要因は外的衝撃と乾燥です。それらから爪を守るためにも、常に「爪お手入れの心得3カ条」を心がけることが大切。
また、ネイルオイルやクリームを塗った後「手袋パック」をするのもおすすめです。たとえば、パックをした状態でお湯での洗い物をすれば、温熱効果によりオイルやクリームの浸透力もUP。水仕事中に効率良く保湿できます。
全3回に渡ってお送りしてきた「地爪はぐくみ塾」。「正しいネイルケアの方法とコツを実践すれば、誰もが美しい指先へと近づくことができます」と花井先生は語ります。
目に入るたび気分もUPする、すこやかな爪と手肌を手に入れて、より自信が持てる自分を育んでいきましょう!
合わせて読みたい