爪の整え方のコツとは?正しいネイルファイリングのやり方をネイルケアリストに聞いてみました

#01 爪の削り方編

年齢を重ねるほど、お肌や髪は土台のお手入れが必要となるように、指先も、地爪を育むケアがなにより大切。そこでディープセラム編集部は、地爪育成のスペシャリストをお招きして「地爪はぐくみ塾」をスタート。これから3回に分けて、ネイルケアの“いろは”をレクチャーしていただきます。
第1回目は、すこやかな地爪になるための正しい爪の切り方・削り方。初心者でも迷わない「ネイルファイリング(爪の形や長さを整えること)」をじっくりと学びましょう。

花井 可奈子 先生
監修 花井 可奈子 先生 (ネイルケアリスト)

1996年に、自爪育成ネイルケアを追求するサロン「グランクール」を設立。これまでに延べ96,000人を施術。2017年には一般社団法人自爪育成ネイルケア協会(現:ネイル育成ケア協会)を設立。問題解決型の独自のネイル育成ケア技術『爪健美道®』メソッドのネイルインナースキンケア®を伝承するため、ネイルインナースキンケア®リストの育成に、力を注いでいる。

まずはあなたの「爪のすこやか度」をセルフチェック!

「お手入れの話をはじめる前に、まずは自分の爪の健康状態をチェックしてみましょう」と花井先生。先生が日ごろから活用しているチェック項目を教えていただきました。さあ、あなたはいくつ当てはまりますか?

  • □ 爪全体がほのかなピンク色をしている
  • □ 爪表面にツヤがある
    (乾燥していない、白っぽくない)
  • □ 爪表面に縦すじや横すじがない
  • □ 爪の表面が滑らかで、凸凹がない
  • □ 爪先が二枚爪になっていない
  • □ 甘皮部分にささくれや損傷がない
  • □ 爪先とピンク色の部分の境目が、
    きれいなアーチを描いている
  • □ 爪全体に、アーモンド型の
    立体的な丸みがある
  • 6〜8個当てはまった方:
    人もうらやむほどのすこやかな地爪!
  • 3〜5個当てはまった方:
    ケアをはじめれば、あなたもすこやかな地爪
  • 0〜2個当てはまった方:
    もしかしたらお疲れ爪かも…

いかがでしたか? お疲れ爪の方も、落ち込まないで大丈夫! 次にご紹介する「爪お手入れの心得3カ条」を守れば、美しくすこやかな地爪を取り戻すことができますよ。

毎日の生活で心がけたい。爪お手入れの心得3カ条

ネイルケアの必要性をよく理解できるようにと、花井先生は爪の性質をこんなふうに解説してくださいました。
「爪は呼吸していると思いますか? 答えはNO。髪の毛と同様に、爪は角化した皮膚の一部で、死んでしまった細胞です。生きている細胞からなる肌の内側とは違って、一度ダメージを受けてしまうと自ら回復するのは難しい。だからこそ日ごろから傷つけないように、丁寧に扱うことが大切なんですね。その結果、所作も美しくなりますよ」。
では、今日から実践したい3つの心得を見ていきましょう。

❶ 爪切りはなるべく使わない

爪を切るときの「パチン」という衝撃は、爪の根元にある「爪母(そうぼ)」に約30kgもの負担をかけているそう。爪母は新しい爪を次々とつくり出す場所であるため、そこに強いストレスを与えると、元気な爪が育ちにくくなってしまいます。
また、爪は三層構造でできているため、爪切りを使うと層の間に空気が入りやすくなり、二枚爪の原因になることも。爪を短く整える際は、爪切りよりも爪専用やすり(エメリーボード)を使うようにしたいですね。

❷ オイルなどで保湿する

爪には、自ら水分や油分を分泌して保湿する力がありません。ケアをせず放っておけばどんどん乾燥してしまうため、爪専用オイルなどで外から栄養を補ってあげることが大切です。爪や爪先、指まわりのこまめな保湿は、ささくれや指まわりの乾燥予防にも◎。

❸ 爪先を道具にしない

指から離れた爪の先端は何も支えるものがなく、また最も古い爪のため、脆い状態といえます。割れたり欠けたりしないよう、「爪先でシールをはがす」「爪先でキーボードを叩く」「バッグの中の物を探すために、ガサガサと手を動かす」といった動作は控えるようにしましょう。

いざお手入れスタート! ネイルファイリングの3つのポイント

ここからはいよいよ、自分で爪の形を整えるためのネイルファイリング(爪の形や長さを整えること)の方法を伝授していただきます。まずは、以下3つのポイントを押さえましょう。

POINT 1理想の形は、立体的で丸みのある「ラウンドスクエア」

目指すのは、角に丸みをつけた長方形型の「ラウンドスクエア」。衝撃に強く、二枚爪になりにくい形です。爪の長さは、爪裏から1〜2mm出る程度がおすすめ。指先の皮膚を乾燥させず、力も入れやすいから、日常の細かな作業に適しています。

理想の形は、立体的で丸みのある「ラウンドスクウエア」

POINT 21週間〜10日に1度、
バスタイムにお手入れを

お手入れの頻度は1週間〜10日に1度。おすすめの時間帯は、爪が柔らかくなるバスタイムかお風呂上がりです。ただし爪が薄い方は、お風呂に入ると爪が柔らかくなりすぎて扱いにくくなる場合があるので、ご注意を。

POINT 3やすりは「紙製×ウォッシャブル」タイプがおすすめ

爪に優しいやすりの見極め方は、爪と同程度の「柔らかさ」があって、適度な「しなり」があること。間にクッションが入った紙製が最適です。爪よりも硬い金属製・ガラス製のやすりは、爪への負担が大きいので避けたいところ。清潔さを保てるウォッシャブルタイプなら、なお好ましいですね。また初心者は、目の細かいやすりを選ぶのがよいでしょう。

すこやかな地爪になるためのネイルファイリング <反利き手>

ポイントを確認できたなら、いざファイリングへ! まずは、反利き手(右手が利き手の人は左手)からはじめましょう。

持ち方 持ち方:やすりの角度は45度

やすりの角度は45度

利き手・反利き手ともに、やすりは爪の先端の断面に対して内側45度の角度で持つのが基本。こうすると、爪の表側が裏側より少し長く仕上がって立体感が出る上、先端が二枚爪になりにくくなります。

step1 先端のラインを
まっすぐに揃える

先端のラインをまっすぐに揃える

爪を削る方の手(イラストでは左手)は台の上などに置いて固定します。そして爪を自分の体の方に向け、やすりを一方向に動かしながら削ります(やすりは左右にリズミカルに動かしますが、引くときにだけ力を入れます)。やすりを動かす幅=ストロークは、小さめに、爪幅と同じくらいを意識して。

step2 爪脇の角を整える

爪脇の角を整える

次に、軽く面取りするようなイメージで、
両サイドの角を整えます。

次に、軽く面取りするようなイメージで、両サイドの角を整えます。

コツは、「やすりの面ではなく、端を使うこと」と「やすりの端を、爪の角と指の間に入れ込むようにして動かすこと」。爪の脇と先端がつながるように、外側から中央に向かって軽く2〜3回やすりを動かして、ラウンドスクエアの形に仕上げます。

すこやかな地爪になるためのネイルファイリング <利き手>

反利き手が仕上がったら、次は利き手へ。先ほどより少し難しくなりますが、以下のガイドに従えば大丈夫。

step1 先端のラインをまっすぐに揃える

先端のラインをまっすぐに揃える

やすりは腕を固定して持ち、体に対して「垂直〜少し内側に傾けた角度」に固定。爪を削る利き手の指を一方向に動かしながら、先端をまっすぐに削ります。指を動かす幅=ストロークは、爪幅と同じくらい。

step2 爪脇の角を整える

爪脇の角を整える

次に、軽く面取りするようなイメージで、
両サイドの角を整えます。

次に、軽く面取りするようなイメージで、両サイドの角を整えます。

反利き手と同様に、「やすりの面ではなく、端を使うこと」と「やすりの端を、爪の角と指の間に入れ込むようにして動かすこと」がコツ。爪の脇と先端がつながるように、外側から中央に向かって軽く2〜3回やすりを動かして、ラウンドスクエアの形に仕上げます。

いずれの手の爪も
  • やすりは、爪先の断面に対して内側45度の角度で持つ
  • 削る力を入れるのは一方向のみ
  • 削るストロークは短めに(爪幅と同じぐらい)
を意識するとうまくできますよ。ぜひチャレンジしてみてください。

「爪は1週間に0.7〜1mm、1カ月に3mm程度伸び、約半年で完全に生え変わります。爪の健康を意識した生活やお手入れをスタートすれば、3カ月後には効果を実感できるはずです。何歳からでも爪は、若返りますよ」と花井先生。
今の爪の状態が良くなくても、これから生えてくる爪をすこやかに育てることは十分可能です。3カ月後、一体どんな変化が見られるのか楽しみですね!

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