さらば!痛みよボイス

宮崎哲夫さん、Motocoさん / Let It Be Coffee(二子玉川)

宮崎哲夫さん、Motocoさん / Let It Be Coffee(二子玉川)

世の中にはさまざまな職業があり、その職種ごとに特有の痛みを抱えています。この「さらば!痛みよボイス」では、働く人にスポットを当て、彼らが抱える痛みとそれぞれが持つ対処法をご紹介します。

第一回目は、二子玉川でカフェ「Let It Be Coffee」を営む宮崎哲夫さんとMotocoさん夫妻。商店街に佇む素敵な空間でこだわりのコーヒーを提供するお二人に、バリスタ特有の痛みについてお話を伺いました。

コーヒーで人と人を繋げる「Let It Be Coffee」

コーヒーで人と人を繋げる「Let It Be Coffee」

宮崎さんとMotocoさんの出会いは、二子玉川。大手コーヒーショップのスタッフとして知り合い、2017年2月に独立。「旅するコーヒー屋」として都内を中心に、オフィスや友人の雑貨店や本屋を間借りして移動型のコーヒーショップを営んできました。そして2018年2月、ずっと慣れ親しんだ二子玉川で「Let It Be Coffee」をオープン。

「二子玉川は近年開発が進み、先進の街というイメージがすごく強いと思うんですけれど、こちら(商店街)は、地元の方が行き来している場所。旅するコーヒー屋で様々な場所や地方を巡るうちに、その地域に根付いたお店を作りたいなあと思っていたので、ここは理想的でした」(宮崎さん)

その地域に根付いたお店

お店に入ると、お二人がコーヒーを淹れる姿が印象的なカウンターが出迎えてくれます。芳しいコーヒーの香りに満ちた店内奥には、やわらかな自然光が降り注ぐベンチシートが並び、そこが街の人の憩いの場所となっています。

コーヒーを淹れる姿が印象的なカウンター

「のんびりゆったりできるスペースが一つあればいいなと思い、今の内装にしました。みんなが相席みたいな形になるんですよね。お客さん同士で会話が生まれ、一体感が出るような空間にしたかったんです」(Motocoさん)

のんびりゆったりできるスペース

益子焼のオリジナルカップ、Tシャツやサーモマグ、高知や広島の工房とコラボレーションしたチョコレートやナッツバター、そして2つのロースターから仕入れるこだわりの豆。美味しいコーヒーとさまざまな人との繋がりからできたオリジナルの商品で「Let It Be Coffee」は形作られています。

益子焼のオリジナルカップ
オリジナルの商品
Tシャツ
menu

コーヒーを繰り返し淹れることで抱える、バリスタ特有の痛み

そんな笑顔が素敵なお二人にも抱えている痛みがあるそうです。飲食業という立ち仕事なので、足腰の悩みかと思いきや意外にも肩の痛みに悩まされていました。

「40歳超えたあたりから肩の痛みがひどくなってきました。エスプレッソを淹れる時に、タンピングという作業があるんです。豆を押し固める作業ですね。それをする時にどうしても肩に負担がかかるんですよ。肩を入れて押し込めるような形なので、そんなに強い力をかけるわけではないですけれど、1日に何十杯も同じ作業をしていると負担が蓄積してきまして。オープンしてから半年くらいの夏に動かせないくらい肩が痛くなったことがあるんです。悪い病気だったらどうしようと思い、近所の整形外科に行ったところ四十肩って言われました(笑)」(宮崎さん)

タンピングは、コーヒーの風味を決めるバリスタとして大切な作業

タンピングは、コーヒーの風味を決めるバリスタとして大切な作業。それを前職から10年以上続けることで、宮崎さんの肩は悲鳴をあげていました。そしてその痛みはMotocoさんも同様に抱えていました。

「私はドリップコーヒーを淹れる作業を繰り返すことで、腕や肩に痛みが出るようになりました。じっくりとコーヒーを抽出するために、ポットを抱えてお湯を注ぐんですが…かなり繊細な作業なので疲労が蓄積したみたいです。以前行ったマッサージ店では『バリスタさんって肩に負担がかかるから、右肩触っただけで、コーヒー淹れていることが分かるくらいすごく凝っていますよ』って言われたこともあります」(Motocoさん)

ドリップコーヒーを淹れる作業

そんなお二人の痛みへの対処法とリフレッシュ方法を聞くと、共通の答えが返ってきました。

「四十肩に効くストレッチを毎晩しています。足腰から上半身につながる痛みもあるので、お店に立つ時はランニングシューズも欠かせません。そして温泉ですね。沿線の銭湯に一ヶ月に2回は行ってリフレッシュしています。小旅行気分を味わって、身体も気持ちも落ち着かせることが目的ですね」(宮崎さん、Motocoさん)

過度に体に負担をかけないよう注意しながら毎日を過ごしています」(Motocoさん)

「今まで健康を意識したことが本当になかったんですけれど、個人でお店をやっていると代わりが効かないので、食べ物や身につけるものなど、以前よりも気にするようになりました。私たちの夢はお店を増やしたいとかではなくて、この場所で二人一緒に長くやり続けたいんです。だから、ある程度は仕方ないとしても、過度に体に負担をかけないよう注意しながら毎日を過ごしています」(Motocoさん)

お二人のお話からカフェを続ける喜び、そしてそのための健康への労りが伝わってきました。これからも「Let It Be Coffee」は、二子玉川でオリジナルの美味しいコーヒーとひとときの安らぎを届けることでしょう。

体の痛みは、働く人なら誰しもが持つ悩みです。素敵なお店を営むお二人のお話を参考に、ぜひあなたも痛みのことを知り、悩みを解決する一助としてください。

宮崎哲夫さん、Motocoさん
Let It Be Coffee(二子玉川)

Let It Be Coffee
営業時間 11:00-21:00
定休日 水曜日

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