蚊に刺された!どんな薬を使えばいいの?

蚊に刺されるとどうなる?

◎症状は、どう変化していく?
蚊に刺された!そんなとき、何がイヤかって、あのかゆみですよね。
蚊に刺されると、すぐにその部位が盛り上がり、かゆくなって、赤く腫れることもあります。これは蚊の唾液に対してすぐにアレルギー反応が出ているもので、即時型反応といわれます。

蚊に刺されたあとしばらくしてから、水ぶくれを伴う紅色の発疹ができることもあります。これもアレルギー反応の一種で、時間がたってから出ることから遅延型反応といわれます。このときにかきむしり、水ぶくれを破ったり皮膚を傷つけたりしてしまうと、その傷口に細菌が感染することもあります。感染すると、傷口が膿や熱をもち、痛みが出ることがあります。

また、刺された部位を長期にわたってかき続けることで、へこんだような傷(潰瘍)になったり、固いしこり(結節)になったりするほか、炎症によってメラニン色素が増加し、色素沈着を起こすこともあります。こうなると、元のきれいな肌に戻るには時間がかかります。

蚊などに刺されたあとの悪化や、炎症の慢性化を防ぐには、早い段階できちんと虫さされ薬を使ってかゆみを抑え、かき壊さないようにすることが大切です。

◎虫さされに似ているけど違う、ほかの皮膚症状
虫さされのほかにも、皮膚がかゆくなることがありますよね。虫さされに似た症状の、主な皮膚症状を見てみましょう。

・じんましん・・・食べ物や薬剤などのアレルギーで起こることが多いが、ほかにもストレスや物理的刺激、運動や体温上昇などが原因になる。かゆみを伴って皮膚がぷっくりと盛り上がるが、通常、数時間で消え、皮膚にあとは残らない。ただし症状が長引くときや、ひどいときは皮膚科を受診したほうがよい。

・とびひ(伝染性膿痂疹・でんせんせいのうかしん)・・・もともと皮膚に存在する細菌(黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌など)が、傷口やかき壊した部位で増殖して起こる。小さな水ぶくれが広範囲に広がったり、かさぶたができたりする。患部を触った手で触ることで、離れた部位にもあっという間に感染が広がる。そのさまが、火事から離れた場所に火の粉が飛んで火事が広がるのに似ているため「とびひ(飛び火)」といわれる。子どもに起こりやすい。抗菌薬の服用が効果的なので、皮膚科を受診したほうがよい。

・帯状疱疹・・・水ぼうそうはウイルスによって起こるが、治ったあともウイルスは神経節に潜伏し続ける。ストレスや過労、感染症などで免疫力が落ちたときなどに、潜伏していたウイルスが活性化し、発症することがある。帯状、あるいは一部分に集中して痛みを伴い、その後水疱が集中してできる。抗ウイルス薬の内服が必要なので、皮膚科を受診したほうがよい。

どの症状にどの成分が合うの?

◎虫さされに使う薬の成分
虫さされ薬は、何を基準に選べば良いのでしょうか? まず、虫さされ薬にはどんな成分が入っているかを見てみましょう。

○ステロイド成分or抗ヒスタミン成分
このどちらか、もしくは両方が配合されていることが多いです。

○局所麻酔成分、局所刺激成分、殺菌成分、血行促進成分 など
これらが配合されているかどうかは、商品によって異なります。

各成分について、もう少し詳しく見てみましょう。

○ステロイド成分(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステルなど)
炎症を鎮める作用があります。
作用の強さによって5つのランクに分けられており、OTC医薬品に使われるのはウィーク、ミディアム、ストロングの3つです。

ストロンゲスト

ベリーストロング

ストロング

ミディアム

ウィーク

炎症のある部位で活性(抗炎症作用)を有し、体内に吸収されると代謝・分解されて低活性化される「アンテドラッグ型ステロイド」と呼ばれる種類のものもあります。
なお、ステロイド成分は免疫を抑える作用があるので、感染性の炎症や、水虫のかゆみなどに使用してはいけません。

○抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩など)
体内でアレルギー症状を引き起こす、ヒスタミンという物質のはたらきを阻害することで、かゆみを鎮める作用があります。

○局所麻酔成分、局所刺激成分(リドカイン、l-メントール、dl-カンフルなど)
患部の感覚を一時的に鈍くすることで、かゆみを抑えます。

○殺菌成分(イソプロピルメチルフェノールなど)
かき壊しなどの傷口に細菌感染するのを防ぎます。

○血行促進成分(トコフェロール酢酸エステルなど)
患部の血行を良くします。

では、どの症状にどの成分が合っているのでしょうか?

◎我慢できないかゆみには?
炎症が強く、かゆみを我慢できずにかき壊してしまうと、あとが残ったり、細菌などに感染して症状が悪化することもあります。ひどくならないうちにきちんと炎症を鎮め、かゆみを抑えることが重要です。
そんなときには、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分に加えて、炎症を抑えるステロイド成分が配合されている虫さされ薬がおすすめです。

ウナコーワシリーズなら?

ウナコーワエースL第②類医薬品
効能・効果:虫さされ、かゆみ、湿疹、かぶれ、皮膚炎、あせも、じんましん
有効成分:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、リドカイン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、l-メントール、dl-カンフル

ウナコーワエースG第②類医薬品
効能・効果:虫さされ、かゆみ、湿疹、かぶれ、皮膚炎、あせも、じんましん
有効成分:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、リドカイン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、l-メントール、dl-カンフル

これらの医薬品は、薬剤師、登録販売者に相談の上、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。

ウナコーワクールα第②類医薬品
効能・効果:虫さされ、かゆみ、湿疹、かぶれ、皮膚炎、あせも、しもやけ、じんましん
有効成分:デキサメタゾン酢酸エステル、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、l-メントール、dl-カンフル

この医薬品は、薬剤師、登録販売者に相談の上、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。

◎かゆいときには?
かゆみをできるだけ早く抑えたいときには、抗ヒスタミン成分や、局所麻酔成分が入っている虫さされ薬がおすすめです。かゆいときに早めの対処ができるよう、持ち歩きしやすいものが便利です。

ウナコーワシリーズなら?

新ウナコーワクール第2類医薬品
効能・効果:かゆみ、虫さされ
有効成分:ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、l-メントール、dl-カンフル

プチウナコーワ第2類医薬品
効能・効果:かゆみ、虫さされ
有効成分:ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、l-メントール、dl-カンフル

◎患部がじゅくじゅくしているときや、膿が出て痛みがあるときは?
できるだけ患部に触らないように気をつけ清潔にして、早めに皮膚科を受診しましょう。

【参考】

夏秋優『虫と皮膚炎』秀潤社
海老原全 編『皮膚科のくすりの使い方』じほう
西岡清『皮膚外用薬の選び方と使い方』南江堂
「鎮痒消炎薬の製造販売承認基準について」厚生労働省
「蕁麻疹診療ガイドライン2018」日本皮膚医学会