あなたの爪はどのタイプ? 原因と対策がわかる爪診断

爪の割れ・欠け、縦すじ、横すじ、反り爪……爪のお悩みといっても、その原因や対策はさまざま。自身の爪のお悩みに合わないケアをしてしまうと、せっかくケアを頑張ってもなかなか改善しづらいです。間違った自己流ケアによって、症状をさらに悪化させてしまう恐れもあります。そこで今回は、富士見スキンクリニック飯田橋院長、小渕英里先生監修の「爪診断」であなたの爪タイプをチェックしてみてください。爪悩みの原因をきちんと知ることで、最適なケアを行い効率的に、すこやかな地爪に近づくことができますよ。まずは爪診断を試して、あなたにぴったりのケア方法を学びましょう!

小渕英里先生
監修 富士見スキンクリニック飯田橋
院長 小渕英里先生

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター皮膚科、都内複数皮膚科勤務を経て、「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として一人一人の悩みや思いに寄り添いながら、明るく前向きな気持ちになれるような診療を行っている。

あなたはどのタイプ? お悩みの原因が30秒でわかる爪診断!

爪のお悩みの原因は大きく3つのタイプに分けられます。あなたはどれに当てはまるでしょうか? さっそく、自分のタイプを診断してみましょう!

● 30秒でわかる爪診断

タイプ別に解説! 自分に合った正しい爪のケア方法って?

どのタイプに当てはまりましたか?爪の悩みの原因がわかったら、正しくケアすることが重要です。次に、タイプ別の詳しい症状や最適なケア方法について見ていきましょう。

● 乾燥タイプ

爪の水分不足により乾燥が進み、ダメージを受けやすくなっているタイプです。保湿をする習慣がない人や、職業柄、水仕事やアルコール消毒を頻繁にする方、ネイルを頻繁に変える方などによく見られます。

特徴的な症状:爪の割れ・欠け、爪まわりのささくれ、縦すじ、手肌のカサつき

<乾燥タイプにぴったりのケア方法>

乾燥が原因で爪トラブルに悩んでいる方におすすめのケア方法は、ズバリ「保湿ケア」です。面倒だからと、つい爪の保湿を怠っていませんか? 手をよく使う日中は指先が乾燥しやすく、こまめな保湿が必要です。水仕事や手洗いの後は、しっかりと手の水分を拭き取り、保湿をする習慣をつけましょう。

手のベタつきが気になるなどの理由で日中の保湿が難しい場合は、夜に集中ケアするのもおすすめ。就寝前、補修液や保湿剤を爪にたっぷりと塗布すれば、寝ている間に成分を浸透させることができます。

● 血行不良・栄養不足タイプ

健康的な爪をつくるための栄養素が不足していたり、血流の悪さが原因となるタイプです。偏食や、無理なダイエットで栄養バランスに偏りがある方にもよく見られます。また、鉄欠乏性貧血で鉄分が不足している方や、冷え性で血行が悪くなっている方も、栄養が指先まで届かず爪トラブルが起きやすくなります。

特徴的な症状:爪の色が白や紫っぽい、二枚爪、爪の割れ・欠け、反り爪、冷え性、肌荒れ

<血行不良・栄養不足タイプにぴったりのケア方法>

血行不良や栄養不足が原因で爪トラブルに悩んでいる方におすすめのケア方法は、ズバリ「食事ケア」です。食生活を見直し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

すこやかな爪を育むには、爪の主成分となる肉や魚などのタンパク質を意識して摂取しましょう。他にも、豚肉、緑黄色野菜などに含まれるビタミンAやビタミンB1、ビタミンC、レバー、赤身肉などに豊富な鉄分、貝類に多い亜鉛なども大切です。食事だけでは十分に摂取できない栄養素は、サプリメントで補給するのも良いでしょう。

冷え性の方は、手の運動も効果的です。指先の血行を促すことで、健康的な指先に近づくことができます。おすすめは、どこでも手軽にできる「グー・パー運動」。手をぎゅっとグーに握った後、パーの形に大きく開く動きを、指先が温まるまで繰り返しましょう。

● 生活習慣・外的要因タイプ

生活習慣の乱れや外的ストレスが原因で、爪トラブルが起きやすくなっているタイプです。睡眠不足や暴飲暴食により新陳代謝が低下している方、精神的なストレスから爪や爪まわりを噛んだりいじったりしてしまう方、また、病気や手術などで身体に強いストレスがかかり、爪の成長が一時的に止まっている方などがこのタイプに当てはまります。

特徴的な症状:爪の割れ・欠け、横すじ、爪噛みによるささくれや爪の変形、二枚爪

<生活習慣・外的要因タイプにぴったりのケア方法>

生活習慣や外的要因が原因で爪トラブルに悩んでいる方におすすめのケア方法は、ズバリ「ご自愛ケア」です。生活習慣を見直し、心と身体のコンディションを整えましょう。散歩などの軽い運動を日々の習慣にするのも、リフレッシュや生活リズムを整えるのに効果的。また、爪がどこかに引っかかったり、変な力が加わったりするような外的刺激から爪を守るためにも、爪は綺麗に切って整えておきましょう。

いかがでしたか? これらすべての爪タイプに共通して欠かせないのは保湿ケアだと小渕先生は言います。年齢とともに爪の水分・油分は減少し、あらゆる爪トラブルの原因となります。毎日のこまめな保湿を習慣にして、すこやかな爪の土台を育みましょう。

このケア、もしかして間違ってる? 皮膚科医に聞く大人の爪悩みQ&A

日頃なんとなく行っている爪ケア、もしかしたら間違っているかもしれません。誤った自己流ケアは、かえって爪トラブルを引き起こしてしまう恐れも。ついやってしまいがちなケアは、OKそれともNG? 小渕先生に答えていただきました!

Q. 爪は爪切りで一気に切るのが良い?

小渕先生:
爪切りを使うのは問題ありませんが、爪が乾いた状態で切ると、衝撃で爪に亀裂が生じてしまうためNGです。入浴後など、爪が水分を含んでやわらかくなっているときに、片側から少しずつ切りましょう。

また、爪切りで切った後の爪は尖っていて引っかかりやすく、割れ・欠けなどトラブルのもとになります。爪切りを使って切った後は、ヤスリで爪をなめらかに整えましょう。

Q. 割れやすい爪はジェルネイルで保護したほうが良い?

小渕先生:
ジェルネイル自体は問題ありませんが、つけ替えの際に爪を削ったり薬品を使うことにより、かえって爪への負担が大きくなってしまう場合も。弱った爪を守るには、綿の手袋や指サックをつける、割れた箇所をテーピングで保護する方法もあります。

Q. 爪まわりのささくれは自分で取っても大丈夫?

小渕先生:
爪切りやキューティクルニッパー、先端の小さいハサミでカットするのは問題ありません。ただし、手でむしり取ったり、引っ張ったりするのは、皮膚を傷つけてしまうのでやめましょう。

カットする際は、皮膚を傷つけないよう丁寧に、できるだけ根元からカットするのがポイント。取り残しがあると、気になっていじってしまったり、そこからささくれが広がったりしてしまいます。カットしたあとは、ネイルオイルなどの保湿剤を優しくなじませてケアしましょう。

Q. 補修液などで保湿するとき、塗るのは爪の表面だけで良い?

小渕先生:
爪のコンディションを整えトラブルを予防するには、爪表面だけでなく、乾燥してささくれができやすい爪の両サイド、爪の根元にある「爪母(そうぼ)」、爪の裏側などもしっかりと保湿してあげましょう。

Q. 甘皮処理はしたほうが良いの?

小渕先生:
甘皮処理は見た目を良くするために行うものであり、爪の健康とは関係がありません。甘皮を自己流でぐいぐい押してケアするのは要注意です。新しい爪をつくりだす大切な部位、「爪母」を傷つけてしまうこともあります。

自分の爪の悩みの原因と適切な対策を知ることは、美しくすこやかな地爪への近道です。
「肌と同じで、爪もきちんとケアすることで改善します。諦めずにケアを継続することが大切です」と小渕先生。生活習慣なども見直して、外側だけでなく内側からも丁寧にケアしていきたいですね。これまで以上に自分の爪をいたわり、気になる爪悩みをしっかりと改善していきましょう!

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