ミドル世代でも素足に自信を!
夏目前、皮膚科医が教える正しい足の爪の整え方
夏になるとサンダルを履いて素足を出したコーディネートをする機会が増えますよね。しかし年齢を重ねるにつれ、爪の割れ・縦すじなど様々な爪の悩み、深爪や足の爪のニオイが気になり、素足になるのをためらってしまうミドル世代も多いはず。そこで今回は、皮膚科医でありフットケアのスペシャリストでもある高山かおる先生に、足の爪の悩みを改善するセルフケアの方法を教えていただきました。フットケアにまつわる基本的な知識を学んで、夏に向けて自信を持って見せられるような素足を目指しましょう!
皮膚科専門医。済生会川口総合病院皮膚科部長。東京医科歯科大学大学院 皮膚科学教室臨床准教授。東京医科歯科大学附属病院にて足の問題を根本から解決するためのフットケア外来を開設。健康な足を保つ重要性について著書や講演、メディアを通して啓発活動を行い、活動を広げる目的で一般社団法人足育研究会を設立。著書には『皮膚科医の教える本当に正しい足のケア』(家の光協会)、『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア』(マキノ出版)などがある。
ミドル世代でも素足に自信を! 足の爪ケアが必要な理由
サンダルの季節を前に、足の爪トラブルに悩んでいませんか? 高山先生によると、あらゆる足の爪トラブルは原因が1つではなく、様々な要因が複合的に関わり合って起きていることがほとんどなのだそう。まずは代表的な足の爪トラブルとその複合的な要因について見ていきましょう。
●足の爪トラブルの代表的な例
- ・爪の割れ
- ・縦や横にすじが入っている
- ・爪表面のでこぼこ
- ・爪が硬く分厚い
- ・深爪
- ・巻き爪
- ・色が濁っている
- ・爪のニオイ
●足の爪トラブルを招く様々な要因
- ・加齢による新陳代謝の低下
- ・足の形に合わない靴や、足の指が窮屈な靴下を履いている
- ・足の指を正しく使わずに歩いている
- ・間違った爪の切り方をしている
- ・足の爪や指をきちんと洗えていない
- ・乾燥していても保湿をしない
これらの背景にあるのは、足の指先まで丁寧にケアする習慣がないということ。普段から足や足の爪に注意を払っていないため、異変があっても気付かず、トラブルに発展してしまうのです。高山先生によると、あらゆる足の爪トラブルは普段の正しいセルフケアで予防・改善できるそう。そして足の爪をケアすると、こんな嬉しいメリットがあると言います。
● 足の爪ケアのメリット
- 毎日のケアで足の爪トラブルを予防・改善できる
- 見た目が美しくなり、気分もアップする
- 足の爪本来の機能が発揮され、年齢を重ねても
元気に歩ける
● あなたはいくつあてはまる? 足の爪からわかる健康チェックリスト
足の爪ケアを始める前に、まずは自分の足の爪の健康状態をチェックしてみましょう!
健康的な足の爪には以下のような特徴があります。
【健康的な足の爪をあらわすチェックリスト】
- 濁りがなく薄いピンク色をしている
- 歩いた時に痛みや違和感がない
- 表面がなめらかでツヤがある
- 嫌なニオイがしない
- 長すぎず短すぎず適度な長さが保たれている
意外と知らない、正しい足の爪のお手入れ方法って?
足の爪ケアは歯磨きと同じように、毎日の習慣にして継続することが大切です。「まずは足の爪の周りを毎日洗うことから始めましょう。また、足の爪の周囲に溜まる角質は週に3回ほどブラシで洗って清潔に保つことが、爪トラブルの予防につながります。そして洗った後は保湿も忘れずに」と高山先生。ここからは正しい足の爪のお手入れ方法をご紹介します。
● こまめなケアで清潔に保とう! 正しい足と足の爪の洗い方
こまめに足と足の爪の周りをしっかりと洗うことで、爪の割れ・欠け、痛みや変色、濁りがないかなど、爪の健康状態をチェックできます。痛みや気になる変化があれば、早めに医療機関を受診しましょう。足の爪を洗う際には、ブラシ(毛がやわらかい歯ブラシでもOK)、石けん、乾いた清潔なタオルを用意してから次の手順で行いましょう。
❶ 40℃前後のお湯で足を5~10分温める
❷ 石けんをよく泡立て、かかと、つちふまず、指と指の間を手で洗う
❸ 石けんの泡を足の指先におき、ブラシで爪の表面、爪の横の溝、爪の根元、指と指の間を優しく洗う
❹ 手でもみ洗いしながら、お湯で洗い流す
❺ タオルで水分を丁寧に拭き取る。指と指の間、爪の周りも忘れずに
● 仕上げの保湿がキーポイントに! 正しい足の爪の保湿方法
❶水分を拭き取り、爪を清潔で乾いた状態にする
❷ネイルオイルや、足爪用浸透補修液などを塗り保湿をする
● 改めて知りたい! 正しい足の爪の整え方
足の爪を整えることは基本的なケアですが、間違ったやり方をして、爪の割れや深爪をはじめとするトラブルに悩まされている方も多いかもしれません。まずは基本の整え方であるスクエアオフの方法を改めて確認しましょう。
<爪を整える前に知っておきたいこと>
個人差はありますが、足の爪は月1回を目安に1、2mm伸びたら切るようにしましょう。理想的な長さは、足の指に爪が少し覆い被さっている程度です。爪を整えるタイミングは、お風呂上がりがおすすめ。入浴や足浴で爪をやわらかく、清潔にしてから切りましょう。
爪を整えるのに必要なもの
- やすり/爪切り
あると便利なもの
- フットセパレーター
<足の爪を整える簡単2ステップ! 基本のスクエアオフの方法>
❶やすりで爪の上部の白い部分を削る
❷やすりで両角を丸く整える
やすりが苦手な方は、爪切りである程度切ってからでもOK! 切り残しがないように必ず「爪の端から端まで」を意識して少しずつ切るのがコツ。
爪+足のケアがカギ! 足の爪の健康につながるフットケアって?
最後にご紹介するのは、足の爪の健康につながるフットケアの方法。足の爪トラブルを予防するには、爪だけでなく足全体の健康を目指すことが重要です。基本の足の爪のケアにプラスしてみましょう。
● 血流を促す足の爪のくるくるマッサージ
足の爪の根元から先端に向かって、指でくるくると円を描くようにもみほぐしましょう。
毎日何回でも行ってOK! すきま時間に
こまめに行えば、足の爪のうっ血予防になります。
● 足全体の健康を保つ、足の指先ストレッチ
❶座った状態で片足を太ももの上に乗せ、足首とつま先をそれぞれの手でつかむ
❷つま先を持っている手を、指のつけ根からゆっくりと手前に曲げる。反対の足も同様に行う
● 大事なフットケアのひとつ!足に負担をかけないサンダル選び
足にフィットしたサンダルを選ぶことも大切なフットケアのひとつです。足に負担をかけないために、サンダルを選ぶ際には次のポイントを意識しましょう。
- ・足首や足の甲がストラップで固定されているもの
- ・足の指がしっかりと動くもの
- ・足とサンダルがぴったりフィットしていて、脱げやすかったり、足が前に滑ったりしないもの
- ・つま先に負担をかけないために、ヒールが高すぎないもの
- ・足の指に正しく力が入るよう、重すぎず軽すぎないもの
いかがでしたか? 足の爪トラブルを起こさないためには、足全体のケアを継続することが大切です。「足の爪に自信がないからとペディキュアで隠してしまう人もいますが、毎日ちゃんとケアをして、爪そのものをキレイにするのが一番です」と高山先生。いくつになっても素足に自信を持てるように、夏が始まるこの時期から足の爪のケアを毎日の習慣にしていきましょう!
合わせて読みたい