爪にNGな指使いって? すこやかな爪のために気をつけたい日常動作
健康的な爪を保つには、日々の生活習慣が深く関わっています。では、健康で丈夫な地爪を目指すには日頃どのような生活を送れば良いのでしょうか? 3回にわたる連載では、地爪を育てるための豆知識を日常のシーンに合わせてご紹介します。
最終回となる第3回目は「気をつけたい日常の指使い編」。爪にダメージを与えてしまう普段の何気ない行動について解説するとともに、毎日に取り入れたいおすすめのケアを朝・昼・夜、一日の流れに沿ってご紹介します。
(「地爪ケアクリニックサロン」ネイルトレーナー)
「地爪ケアクリニックサロン代々木」ネイルトレーナー。アスリートから趣味でスポーツをされている方、スポーツとは関係なくもともと爪が弱い方などのお悩みに対するアドバイスが得意。爪についての身近な疑問解決をサポートする。
爪とライフスタイルの関係
手入れの行き届いた爪は、自分の気持ちを高める自信につながるだけでなく、人に対しても、「丁寧な生活をしているのだろうな」という好印象を与えてくれます。爪はその人の生活そのものを表すパーツでもあるようです。では実際、爪とライフスタイルにはどんな関係があるのでしょうか?
● ライフスタイルで異なる爪の悩みとケア
仕事の業種や家庭環境、生活リズムなどによって爪に対する意識や悩みはさまざま。
それぞれのライフスタイルに合わせた爪のケアが、すこやかな地爪につながると塚越さんは言います。
たとえば、水仕事が多い人や、職場でたくさんの書類や段ボール、衣類を扱うような人は手指の油分や水分が奪われやすく、爪がもろくなったり割れたりしやすくなります。その場合は、保湿ケアをこまめに行う、ゴム手袋などをして水に触れる機会を減らすなど、乾燥から爪を守ることが必要です。また、接客業や医療従事者など職業柄爪を伸ばせない人は、爪切りを頻繁に行うことから深爪に悩む人も多いようです。その場合は、爪やすりを使うなど整え方を工夫することで少しずつ改善することができます。
「ライフスタイルに合わせたケアで、どんな人も無理なくその人らしいすこやかな地爪を目指せますよ」
そのうえで、まずは誰もが心がけてほしいのが、日常生活の中で爪を意識することだと塚越さんは言います。どんなとき、どんなことに気をつければよいのか教えていただきました。
爪のために気をつけたい指使いと朝・昼・夜のケア
ここからは、日常生活の中の爪に対するNG動作をチェックしていきましょう。自分が普段何気なくしている指使いが、爪に大きなダメージを与えてしまっているかもしれません。この機会にぜひ振り返ってみてください。また、朝・昼・夜に取り入れたいケアもご紹介します。
【朝】
● 爪へのダメージが大きい家事仕事に注意!
NG! 素手で皿洗いをする
洗浄力の強い洗剤や熱いお湯を使う皿洗いは爪の大敵。皮膚の油分が奪われて手肌と爪が乾燥するだけでなく、洗剤の刺激で手荒れが起きやすくなります。水仕事のときはゴム手袋を忘れずにするようにしましょう。
さらに保湿効果をアップさせるなら、ハンドクリームを塗った後に布手袋をし、その上からゴム手袋をするのもおすすめです。
キッチンの目のつく場所にゴム手袋を常備しておくのがおすすめ
NG! 爪を引っ掛けて窓を開ける
窓を開けるとき、窓枠に爪を引っ掛けると爪に負荷がかかり、剥がれたり割れたりする恐れもあります。指の腹を意識して手の力を使って開けるよう気をつけてください。
NG! 脱水後の絡まった洗濯物をつかみ取る
重いものを持つときも指先への注意が必要です。濡れた洗濯物は思っている以上に重く、一度につかむと爪に大きな負荷がかかります。一つひとつほぐしてからゆっくり取り出すようにしましょう。
NG! 指を靴べら代わりにする
急いで家を出ようと、指先を靴べら代わりにして足を押し込むようなことはしていませんか? 爪が圧迫されると変形などの原因にもなります。必ず靴べらを使うようにしましょう。
● 朝のケアはスキンケアと一緒に
慌ただしい朝はスキンケアと一緒に手や爪もケアしてしまいましょう。顔に塗った後、余った乳液やクリームを手や指先にもすり込めば、手軽に保湿ケアができます。余裕があれば、爪専用のオイルなどで一日の土台となる栄養と潤いをチャージするのが理想です。
【日中】
● 仕事中や出先での何気ない動作は爪へのダメージ大
NG! 段ボールの開封やシールを剥がすのに爪を使う
爪を道具代りに使うと、爪が割れたり剥がれたりする原因になりかねません。段ボールや梱包材を開けるときは、カッターやはさみなどを活用しましょう。
ガムテープをガリガリ引っ掻いて剥がすのはNG!
NG! パソコンを爪先で叩く
忙しいとつい、強い力でキーボードを叩いてしまう人もいますが、それも爪に負担がかかる原因に。パソコンのキーは指の腹で優しく叩く習慣をつけましょう。
NG! バッグの中をガサゴソかきまわす
スマホや財布を取り出そうと、バッグをやみくもに探ると爪にものが当たって傷めてしまいます。バッグの中身を整理し、ものを取り出すときは目で見て確認しながらゆっくりと。
NG! 手を洗った後に拭かない
手が生乾きの状態では、残った水分と一緒に手肌や爪の水分も蒸発し、潤いが奪われてしまいます。手を洗った後はハンカチなどで丁寧に水気をふき取るようにしましょう。さらにクリームなどで潤いを補充できればベストです!
● 日中のケアはこまめな保湿対策を
頻繁な手洗いや消毒、エアコンによる乾燥など、日中は手肌や爪がとにかく乾きやすい状況です。目につきやすいデスクの上や水を使うキッチン・洗面所にハンドクリームなどケア用品を置いて、こまめに保湿をするのがコツです。さらっとしたジェルタイプのものなら、仕事中もベタつきを気にせず使えます。
【夜】
● お風呂上りは爪をケアするベストタイミング!
NG! 爪を立ててシャンプーする
爪を傷めるだけでなく頭皮も傷つけてしまう原因に。頭皮用のマッサージブラシを使えば爪に優しく、マッサージ効果もUPして一石二鳥です!
NG! 睡眠不足
爪をつくるために欠かせない成長ホルモンは、その多くが睡眠中に分泌されます。睡眠不足では分泌が減少し、爪の生成にも影響を及ぼします。丈夫ですこやかな爪を育むために、良質な睡眠時間を十分確保しましょう。
● 夜のケアで1日頑張った自分に癒しのひと時を
温浴によって皮膚が柔らかくなっている入浴後は保湿成分が浸透しやすく、肌だけでなく爪のケアにもベストなタイミング。時間に余裕のある日におすすめしたいのがこんなスペシャルケアです。浸透補修液などで爪に栄養補給をした後、爪まわりをオイルなどでしっかりと保湿し、さらに保湿力のあるクリームで手全体をコーティング。前回ご紹介した「爪もみ」も取り入れれば、一日の疲れを癒すひと時になりますよ。
すこやかな地爪でポジティブな毎日を
ここまでご紹介してきた、爪をいたわる指使いや朝・昼・夜のケア。毎日爪を意識する時間を少し増やしてみる、保湿ケアだけは毎晩やってみるなど、まずはできることから始めてみましょう。できることを無理なく続けることが、すこやかな地爪への近道です。
「爪がきれいになると嬉しくて、もっとやってみよう! とケアにも一層力が入りますし、素肌の調子がいいと気分が上がるように、自分の爪に自信を持てるようになります。すこやかな地爪がポジティブな毎日を呼びこんでくれますよ」
健康状態やライフスタイルが反映される爪は十人十色のもの。だからこそ、自分自身と向き合うように大切に扱い、ケアし続けていきたいですね。
締めくくり
全3回にわたってお届けしてきた「今日から始めるすこやか地爪生活」。日々の生活習慣やセルフケアについて見直す機会にもなりましたね。「愛情をかけてあげれば爪はちゃんとこたえてくれます」という塚越さんのアドバイスを胸に、今日からさっそく「すこやか地爪生活」を始めてみましょう!
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