かぜをひいてしまったら…?
かぜ薬は、つらいかぜの症状を抑えるためのもの。かぜの原因(ウイルス)を体から追い出すのは、人の体に備わった「免疫力」です。
ところが、かぜをひいて寝不足や栄養不足になってしまうと、体力が落ちて免疫力も下がってしまいます。
ここでは、かぜをひいてしまったときにお家でできる、体力を落とさないための対処法をご紹介します!
熱があるとき
かぜをひいて熱が上がるのは、体がウイルスと戦おうとしている証拠。
ですから、むやみに熱を下げようとせず、38℃くらいまでは様子を見ましょう※。
とはいえ、高熱が続くと体力を消耗して、免疫力も下がってしまいます。
そこで、カギとなるのが体温の上手なコントロールです。
かぜのひきはじめで寒気がするときは、素早く熱を上げてしまいましょう。
室温を高くして布団に潜り込み、体を温めるのがおすすめです。
このとき、必要以上に厚着をして寝てしまうと、寝汗で体が冷えてしまうのでご注意を!
逆に、熱が上がりすぎてダルいときは、おでこよりも、首のまわりやわきの下、太ももの付け根などを冷やすと効果的です。
※ただし、平熱が低い人や発熱に敏感な人、ご年配の方などは、早めにお医者さんの診断を受けましょう。
せき・たんがでるとき
“発熱”と並ぶつらいかぜ症状と言えば“せき”。
強いせきを1回するたび、約2kcal消費すると言われていますが、計算すると4回せきをするだけで階段を100段上ったのとほぼ同じ運動量に!
また、夜寝ようとして横になるとせきが止まらなくなることも多く、睡眠不足でさらに体力を消耗してしまい、免疫力が下がってしまいます。
でも、せきをしないとウイルスを体の外に出すことができません。
そんな時には、ガマンをせず、胸が大きく動かないように“小さく、細かく”せきをしましょう。
また、のどが乾燥するとせきが出やすくなるので、加湿器で部屋の湿度を60~80%に保ち、温かい飲み物を飲んでのどを潤すと良いでしょう。
そのほか、ハチミツやキンカンなど、のどに良いとされているものを摂るのも効果的です。
かぜをひいたときの食べ物
かぜで鼻が効かないと食事がおいしく感じられませんし、高熱が続くと食欲もなくなります。
でも、ちゃんと食事を食べないと体力がどんどん落ちて、免疫力も下がってしまうので、消化が良く、栄養価の高い食事をとりましょう。
ちなみに、腸は免疫細胞全体の約6割が集まっていると言われる、別名「人体で最大の免疫器官」。
腸に負担がかかると免疫力にも影響が出るおそれがあるので、「うどん」や「おかゆ」のようなメニューがおすすめです。
さらに、体を温めるとされるショウガやネギ、食欲がなくても食べやすく、クエン酸を多く含む梅干しなどを入れるのも良いでしょう。
なお、熱過ぎるものや辛過ぎるもの、揚げ物のようなこってりしたものなどは、胃腸に負担をかけてしまうため、ご注意を!
体を冷やすとされる果物は、焼きみかんや焼きりんご、焼きバナナのように、焼いて食べてみると、意外とおいしいのでお試しを。
どうしても食欲がないときには、発熱時に失われやすく、体力の回復を助けるビタミン類を配合した、ゼリー飲料などを摂りましょう。
また、発熱で汗をたくさんかくと、水分不足で脱水症状を起こすことがあります。
スポーツドリンクや経口保水液など、体に吸収されやすいタイプの飲みものを、体を冷やさないように常温で飲むと良いでしょう。
かぜをうつさないために
「かぜは人にうつすと早く治る」なんて、まったくの迷信。
周りの人にかぜをうつしてしまわないように、注意しましょう。
かぜをひいた人のせきやくしゃみ、唾液などの飛沫には、かぜのウイルスが含まれています。
かぜの主な感染経路は、この飛沫が付いたものを触った手から、口や鼻にウイルスが入ってしまう「接触感染」というもの。
また、飛沫を口や鼻から吸い込んでしまい「飛沫感染」することもあります。
せきで約2m、くしゃみで約5mも飛ぶとされる飛沫。
かぜのウイルスをまき散らさないように、マスクを着用しましょう。
なお、厚生労働省は感染予防策として、次のような「咳エチケット」を提唱しています。
咳エチケット
- せき・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。
- 鼻汁・たんなどを含んだティッシュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を整える。
- せきをしている人にマスクの着用を促す。
- マスクの使用は説明書をよく読んで、正しく着用する。
また、家族や同居している人に、手洗いやうがいを徹底してもらいましょう。
かぜをひいている間は、タオルの共有なども禁物です。
ときには窓を開けて部屋の空気を換気したり、加湿器を使って部屋の湿度を上げたりするのも良いでしょう。