からだと向き合う

全身が疲れる、あちこち痛い…。
どうしてそうなってしまうのか、メカニズムを知ることで対処法が見えてくるかもしれません。
あなたの気になる症状が、どうやって起きるのか見ていきましょう。

からだと向き合う

疲れのメカニズム

以前は、肉体的な疲れの原因は「乳酸がたまること」だといわれていました。
ですが、最近では、乳酸はどうやら疲れの「原因」ではなく、「結果」としてたまるものだということがわかってきています。

疲れの本当の原因は何なのでしょうか?

近年の研究では、疲れると全身の組織や血液中に「FF(Fatigue Factor)」というたんぱく質が増えることが発見され、この「FF」が疲労の原因物質であることがわかってきました。
徹夜をしたり、激しい運動をしたりすると、活性酸素が発生して細胞が傷つけられ、老廃物が出ます。
この老廃物が、疲労因子「FF」の発生を促し、発生した「FF」が脳に疲労シグナルを送ることで、私たちは疲れを感じると考えられています。

疲労因子「FF」と疲労回復因子「FR」

一方で、「FR(Fatigue Recovery Factor)」というたんぱく質も同時に存在し、疲労で傷ついた細胞の修復にはたらくため、疲労回復因子とされています。
「FR」は、疲労因子「FF」の増加に反応して増加します。
「FF」のほうが先に増えて疲労感を引き起こしますが、「FF」の増加に反応して「FR」が増えていくと、次第に「FF」よりも「FR」のほうが優位になり、疲労回復が進みます。

FF量とFR量の関連性

この「FR」は、軽い運動や十分な休息によって、より効率的に増えると考えられています。
適度に休憩をとることが、疲労をひどくしない方法のひとつといえるでしょう。

眼精疲労のメカニズム

「目が疲れた」=「眼精疲労」だと思っていませんか?

正確には、眼精疲労というのは、目を使い続けたことによる目の痛みやかすみ、まぶしさ、充血といった目の症状だけでなく、頭痛や肩こり、吐き気といった全身の症状を伴うもので、少し休んだだけでは回復しないような症状のことをいいます。

目の疲れには、目の周りの筋肉が関係

写真を撮るとき、なかなか好みの場所にピントが合わなくて困った経験はありませんか?

一方、私たちの目は、瞬時に思い通りの場所にピントが合いますよね。
これは、目の周りの筋肉が収縮したりゆるんだりして、自動で目のピントを合わせてくれているのです。

ですが、たとえばずっと近くを見ているときは、この筋肉が緊張しっぱなしになり、疲れてしまいます。
この筋肉の疲れが、目の痛みやかすみをまねくのです。

目を使い過ぎると、目だけでなく全身に症状が出てしまう原因

目の周りの筋肉が疲れる・首や肩の筋肉が疲れる

実は、全身症状の原因はよくわかっていません。
ただ、目を使い続けるときは、ずっと同じ姿勢を取っていたり、ずっと緊張していたりすることが多いため、首や肩の筋肉も緊張して血行が悪くなったり、ストレスを感じたりすることが原因ではないかと考えられています。

パソコンやスマホをじっと見続けると、目の周りの筋肉も、首や肩の筋肉も疲れてしまい、不調につながります。
ときどき休憩をして遠くを見たり、首や肩の筋肉をほぐしたりしましょう。

関節痛のメカニズム

関節とは

関節とは、骨と骨が隣接し、曲げられる部分のことをいいます。
骨と骨は直接連結しているのではなく、間に軟骨という組織があって、クッションの役割を果たしています。
軟骨はガラスのようになめらかな組織で、このおかげで私たちは柔軟に関節を動かせます。

関節痛の種類

一方で、関節には負担がかかりがちで、痛みなどの炎症を起こすことがあります。

関節痛には・・・
  • スポーツや事故などで起こる急性のもの
  • 加齢や生活習慣によって起こる慢性のもの
があります。
急性の関節痛

急性の関節痛は、靭帯損傷や捻挫、半月板損傷など、急な外力がかかって関節周辺の組織に障害が起こるものです。
また、成長期の子どもがスポーツなどでひざを酷使すると、オスグッド病というひざ関節の病気が起こることもあります。

こうした急性のものは、整形外科などの専門医を受診したほうがよいでしょう。

慢性の関節痛

慢性の関節痛は、加齢や肥満などにより、ひざなどの関節に負担がかかって起こるものが代表的です。

軟骨は水分を多く含み弾力性にとんだ組織ですが、関節を酷使したり、年齢を重ねたりすることによって弾力性を失い、すり減ってしまうことがあります。

そうなると、周囲の組織に炎症を起こして痛みが起こり、ひどくなると骨と骨どうしがぶつかったり、骨がすり減って変形してしまったりするのです。
このような状態になると、関節痛が慢性化してしまいます。

通常のひざ関節→軟骨が現象したひざ関節

ひざの周りの筋肉が弱っていたり、体重が重すぎたりすると、関節に負担がかかりやすくなりますので、軽い運動などを継続してひざにやさしい生活を心がけましょう。

腰痛のメカニズム

「腰はからだの要」といわれるように、腰の不調は全身の動きに影響してきます。

腰は、椎骨や椎間板からなる背骨と、背骨の土台となる骨盤、大きな神経(脊髄)とそれを取り囲む脊柱管、背骨や神経の周りを支える大きな筋肉などから成り立っており、どれが不調を起こしてもスムーズな動きは望めません。

また、原因が複合的なことも多いので、急激な強い痛みがある場合や、痛みが長引く場合には整形外科などの専門医を受診したほうがよいでしょう。

慢性の腰痛

血行を良くするために、腰を温めたり

また、腰の重要なパーツである筋肉に負担をかけ続けると、筋肉が疲労したり損傷したりして、慢性の腰痛を起こすことがあります。
これは、痛みがあってもX線などの画像検査に異常として現れにくいので、対処がしづらい腰痛です。

なんとなくシップなどを貼って対処する人も多いと思いますが、こうした腰痛のときは筋肉が緊張して血行が悪くなり、老廃物や疲労物質が排出されにくくなっていることが多いものです。
血行を良くするために、腰を温めたり、無理のない範囲で軽いストレッチをしたりすることも生活に取り入れてみましょう。

デスクワークの人
ずっと同じ姿勢を続けずにこまめに休憩をとるようにするとよいでしょう。

重い荷物を持ち上げるとき
中腰の姿勢で持ち上げず、いったんしゃがんで持ち上げるようにしてください。